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■ ギターの用語解説 (他人に聞くのは…、そんな用語を分かりやすく解説しようと思います)
  アディロンダック・スプルース 〔Adirondack Spruce〕
    アメリカ、ニューヨーク州の北部アディロンダック地方で産出されるトップ材で、レッド・スプルースとも呼ばれる。1940年代までD-28などで普通に使われていたが、現在は良い材料が入手困難と言われており、GEやCustomに限定して使用されている。
  イングルマン・スプルース 〔Engleman Spruce〕
    トップ材で、ジャーマンに似た性質。1980年代以降のカスタムモデルに使用。非常に軽く、色は白に近く、すこし赤みがかっている。音色はややソフト。00-18あたりに良くマッチするのでは…。
  X(エックス)・ブレーシング 〔X-Bracing〕
    1850年にマーチンが開発したブレーシングの種類。文字通りXの形をしており、強度的にも優れている。
弦高 〔げんこう〕
12フレットの頂点から弦の下までを計ったもの。ギターにとって理想の弦高というものはなく、プレイヤー自身の演奏スタイルによって適した弦高は異なるといわれるが、「ギター工房」での一般的な例として以下の数字が参考となる。
 
演奏スタイル 6弦の弦高 1弦の弦高 使用弦
フィンガーピッキング 2.3mm前後 1.8mm前後 ライトゲージ
ブルーグラス・スタイル
(フラット・ピッキング)
3.0mm前後 2.5mm前後 ミディアム・ゲージ
フィンガーピッキング
&フラット・ピッキング
(弾き語りなど)
2.5mm前後 2.0mm前後 さまざまなゲージ

サドル 〔Saddle〕
ブリッジにある、象牙や牛骨、プラスチックで出来た部分。マーチンでは、ブリッジの両端まであるロングサドルを使用していたが、1965年以降は埋め込み式の短いサドルに変更された。サドルの位置は音程、高さはプレイスタイル、材質は音色に影響を与えるため、調整を行うことも多い。
  シグネチャーモデル 〔Signature Model〕
    近年、Martin社で多く作られている、特定のミュージシャンが使っていたモデルを復刻したギター。000-28EC(エリッククラプトン)、D-28CW(クラレンスホワイト)、D-18DC(デヴィッドクロスビー)など、数多くのモデルが発売されている。アメリカではこれらのモデルの人気が高いため、通常モデルの生産台数が低下しているという弊害も指摘されている。
  シトカ・スプルース 〔Sitka Spruce〕
    シッカ・スプルースともいう。トップ材に最も多く使われ、1946年以来D-28にメインで使われる。白、ピンク系、薄茶色と色合いもさまざま。立ち上がりの良いパンチの効いた音質。
  ジャーマン・スプルース 〔German Spruce〕
    トップ材として伝統的に使用される。色はアイボリーの均一な色合い。きらびやかな音色がするといわれる。
  スキャロップト・ブレーシング 〔Scalloped Bracing〕
    X・ブレーシング一部を波型に削ったスタイル。削ることにより、ブレーシングが薄くなるためトップ板の振動がより多くなる利点はあるものの、強度が弱くなるため、ギターを弾かない時は弦をゆるめておくほうが無難。D-28には1944年まで使用されていたが、その後平らなブレーシングとなり、1976年のHD-28にて復活。
  スプルース 〔Spruce〕
    トップに使われる木材で、いろんな種類がある。日本でいう“えぞ松”の一種。松なので、ヤニを含んでおり、十分に乾燥させるとヤニが結晶化して煌びやかな響きを作ると言われる。ギターを弾き込むと良い音になるのも、振動によって水分が外に出るためという説もある。
  トップ 〔Top〕
    ギター本体の表側。ここで音を振動させているため、材質によって音色が異なる。
トップにどんな木材を使っているのかについては、「ソリッドスプルース」とか表現されるだけで、それ以上(アディロン、シトカ等)は詳しく記載されていないのが現状であり、輸入代理店でもトップの材質を正確に限定するのが難しくなっている。Martin社にはぜひとも記載して欲しいものだ。
  ドレッドノート 〔Dreadnought〕
    D-28のサイズをあらわす“D”。試作品が作られた1916年当時のイギリスの巨大な戦艦ドレッドノート号に由来して名前がつけられた。日本だと、さしずめ大和-二十八という感覚か?
ナット 〔Nut〕
ネックの上端で弦を支える部分で、弦の振動を伝える重要な役割がある。象牙が最も良いと言われるが、牛骨やアイボロイド(プラスチック)が主流。弦が乗る溝の深さや角度は音程や弦高に影響するので注意したい。
また、チューニングの際に「キン!」という音がしてうまくチューニングできないようなときは、ナットの溝のすべりが悪いことが多く、弦を張る前に、弦で溝をこするようにすると改善される。
ネック 〔Neck〕
演奏する際に左手(右利きの場合)で持つ部分。ネックについては、ソリが気になるところだが、正しく調整されたネックは弦を張ったときに若干順ゾリ(弦の方向に反る)になっている。まっすぐだと、ローポジションでビリ付きが出てしまう。
  ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド) 〔Jacaranda〕
    1969年まで、サイドとバックに主に使用された木材。ブラジルのハカランダ地方で産出されていたローズウッドで、明るく乾いたパンチのある音色を持つ。ブラジル政府が国内の製材会社保護のため、原木の輸出を禁止したため、1969年以降は、スペシャル・エディションなどにしか使用されていない。また、種の絶滅を防ぐためのワシントン条約で保護対象に指定されているため、ハカランダ製のギターをアメリカなどから輸入する際には、輸入許可証が必要となる。
ピックガード 〔Pickguard〕
ピックガードがオプションとして採用されたのは1930年代。最初は本ベッコウを使用していたが、ギターのトップは湿度によって伸縮するものの、ベッコウは変化しないため、ひび割れの原因となった。その後タータスシェル・カラーのセルロイド製が採用され、1967年にはアセテート製のブラック・ピックガードに変わっている。これらの素材は、木材の収縮変化率に最も近いという理由で使用されているが、30年程度で剥がれてくるケースが多い。
  ビンテージ 〔Vintage〕
    我々は、古いギターを何となく“ビンテージギター”と呼んでいるが、Martin社がHD-28VのようにVintageシリーズとして作成する場合、戦前の仕様をビンテージと称している。
さて、戦前とはいったい何年を指すのか…。第2次世界大戦自体は1939年9月から始まるのだが、アメリカが本格的に参戦したのは、1941年12月の日本軍の真珠湾攻撃以降になる。そこで、1941年までに作られたギターを“ビンテージギター”と呼ぶことにする。
フィニッシュ 〔Finishes〕
ギターのボディの塗装のこと。Martinの場合は、ラッカー塗装であり、溶剤やアルコールに弱く、手の汗や脂にも反応しやすいため、こまめに拭いておくことが重要。
また、長年経つと“ウェザーチェック”といわれる細かなヒビが入ってくるのが普通。気になる場合は、“リフィニッシュ”(古い塗装を剥がして塗りなおすこと)することになるが、ギターの価値が下がるだけでなく、音にも大きな影響をあたえるため、なるべくそのままの状態で使いたいものだ。
フォスファー・ブロンズ弦 〔Phosphor Bronze〕
銅とリンの合成で出来た弦。繊細な音で、高音域が良く出るため、ストロークプレイよりもアルペジオなどのフィンガーピッキングに向いている。
  フォワード・シフテッド・X・ブレーシング 〔Forward-Shifted X-Bracing〕
    本来、X・ブレーシングは強度を保つため、ブリッジの下(裏側)あたりでXに交差していたが、ブリッジと干渉してトップの振動が小さくなるのを防ぐため、交差点をややサウンド・ホール側(ホールの下端から1インチのところ)へシフトさせた方法。D-28の場合、1939年以降はサウンド・ホールから1 5/8インチの位置に移動させているが、多くのスペシャル・エディション・シリーズではフォワード・シフテッドを採用している。フォワード・シフテッドにすると、低音から高音までのレンジが広いと言われる反面、強度面や音が拡散する点ではDサイズには向かないという意見もある。
  ブリッジ 〔Bridge〕
    トップで弦を止めている部分で、弦の振動をトップに伝える役割がある。マーチンでは、1929年頃からベリィ・ブリッジ〔Belly Bridge〕と呼ばれる下側がふくらんだ形をしているものを採用している。
ブリッジピン 〔Bridge Pin〕
弦をブリッジに留めるピン。プラスチックや象牙などで出来ている。ピンは長い間使っていると変形したり削れたりして、音程が合わなくなったり、ブリッジの裏にあるプレートが弦の端で削られて修理が必要になることもある。消耗品と考え、こまめのチェックと早めの交換が望ましい。価格は、プラスチックだと千円程度だが、象牙となると1万円を超える。
  ブレーシング 〔Bracing〕
    トップの裏側に補強と音の振動を生むために貼られた構造材。湿度が高い状態で弦を張ったままにしておくと、トップがふくらむため、ブレーシングが剥がれることもある。そうなると修理が必要となる。
フレット 〔Fret〕
指板に打ち付けられている、音階を出すための金属製の細い棒。このフレットは、アメリカ製のギターでは比較的雑に付けられているといわれ、残念ながらMartinも例外ではない。ネックの変化が安定する時期(制作後5〜10年)に、フレットの打ち直しをしておくと、その後トラブルも少なく、一生弾けるようになるとも言われる。
ブロンズ弦 〔Bronze〕
銅と錫、または銅と亜鉛の合成でできた弦。比較的暖かみのある音色のため、ストロークで強く弾く場合でもはぎれの良いサウンドが出ると言われ、カントリー系で使い易い。
  ベアクロウ 〔Bear-Claw〕
    トップ材の模様のことで、木目が環境の変化で熊が爪でひっかいたような模様になったもの。高級木材の証明でもあるが、少し固めの音がすると言われる。
  ペグ 〔Peg〕
    ギターのヘッドについた、弦を張ったり緩めたりする部品。アメリカでは“チューニングマシン”と呼ぶのが一般的。ヘッドの裏にあるギヤの部分にカバーがついているタイプを“シールドバック”と呼び、カバーがないものを“オープンバック”と呼ぶ。ヘッドの表で弦を巻きつける金属の部分は“ポスト”という。最近のMartinではゴトーという日本製のペグが使われていることが多く、高級機種としてはウェバリーのペグが有名。
  ヘリンボーン 〔Herringbone〕
    トップにある、サイドとの縁飾りで内側(トリム)の部分。模様がニシンの骨に似ていることから名づけられた。1947年初めまで28シリーズに採用されていたが、その後、職人の不足により今のような白黒ラインに変更された。現在でも、HD-28やD-28GEに採用されているが、通常「ヘリンボーンギター」といえば、1947年以前のヴィンテージD-28を示しており、高額で稀少なギターの代名詞ともいえる。
ボディ・サイズ 〔Body Size〕
マーチンの場合、品番の頭文字がボディの大きさ(最も幅の広い部分の長さ)を示しており、現在までに10種類以上の大きさがある。現在でもポピュラーなものでは、フレット数によって若干異なるものの、小さい方から順番に 0(数字)…13 1/2インチ、00…14 1/8インチ、000…15インチ、OM…15インチ、D…15 5/8インチ、J…16インチとなっている。このボディサイズを示す頭文字は、1920年代後半までは数字が使われており、その後はOM、Dなどのアルファベットで表示されるようになった。
  マホガニー 〔Mahogany〕
    D-18、00-18などのサイド、バックに使用される木材。薄茶色をした比較的軽い材で、明るくハギレの良い音がする。ホンジュラス産のマホガニーは入手困難となっている。
  ローズウッド 〔Rosewood〕
    サイドとバックに使用される木材の種類。1969年後半まではブラジル産(ハカランダ)のものが使われていたが、原木の輸出禁止に伴い、イースト・インディアン・ローズウッドに変更になった。
ロッド 〔Rod〕
弦の張力でネックが反るのを防ぐために、中に埋め込まれた棒。最初は断面が「T」字型のT型スティール・バーを使用。1967年には断面が四角のスクエア・バーに変更されたが、18年間しか使用されず、現在ではネジで調整可能なアジャスタブル・ロッドを使用している。また、1942年から1946年までの間、戦争で金属が不足していたため、エボニィ・ロッドが採用されたこともある。