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■ ギターの管理法と普段の手入れは?
 
●冬の時期の注意点
  冬はどうしても乾燥しますし、温度変化も大きくなります。いつも自宅で弾いて、ギターを外に持ち出さない場合は、加湿器で50%前後の湿度を維持していれば問題はないのですが、ライブなどでギターを持ち出す場合は、要注意です。

まず、外気と室温の差が大きい冬場は、暖かな部屋に入ってすぐにギターをケースから出さずに、10分位たって、ケースが冷たくなくなってからギターを出すようにしてください。それから、ライブハウスではエアコン暖房の風が直接ギターにあたらないように注意することが重要です。暖房の空気は相当に乾燥していますので、長時間ギターにあてていると、トップがいきなり割れたり、ブレイシングが剥がれたりします。特に、古いギターはブレイシングの接着が弱くなっている場合があり、意外と簡単に剥がれますのでご注意下さい。
    
  ●夏場の手入れ
  夏場のギターの手入れで一番気を付けたいこと、それは腕や脚の汗かもしれない。夏場は半ズボンや半袖のシャツで弾くことが多いため、どうしてもボディのトップやサイドに汗がついてしまうのだが、この汗を長期間放置してラッカーが変質してしまうと、どんなにポリッシュで拭いても元の艶は出てこなくなってしまう。実際に、中古で買った私のGUILDのトップは、ちょうど腕が触れる部分だけラッカーの変質が起こっており、目立たないものの、艶は出なくなってしまっている。

夏場は、室温が40度を超えない程度の環境であれば、気温や湿度を気にするよりも、弾いた後に汗をきれいに拭き取ることに注意をしたほうが良さそうだ。
    
  ●弦は緩めるべきか? 
結論から言うと、平日あまり弾けないようであれば、緩めるべきです。

もっとも、ギターの構造自体は、弦を張ったままでも耐えられるように作られているはずです。というのも、Martinが1940年代に強度の問題からスキャロップドブレイシングを止めた時、どうもヘビーゲイジの弦を張るプレイヤーが増えたことが原因のようなのです。

我々は通常、ミディアムかライトゲージの弦を使用していますが、その場合、ネックの反りやトップの盛り上がり、ブレーシングの剥がれについては、そんなに神経質になることもなく、気になった段階で弦をしばらく緩めておけば問題はないように思います。

じゃ、なぜ緩める必要があるのか。ライトゲージの弦で70kgの張力がかかると言われますが、ギターにこのように強度のストレスがかかった状態で倒したり、何かにぶつけたりした場合、ネックそのものが折れる危険があるのです。

あまり弾かない状態というのは注意していないということですので、そんな時に家族の誰かが誤ってギターを倒すようなことがあった場合、悲惨なことになる可能性が高まってしまいます。

アメリカ人はネックの反りやトップの盛り上がりは気にしないようですし、ギターは修理に出すものという感覚を持っているようですので、彼らの許容範囲でも我々にとっては「大変だ!」と感じることかも知れませんので、弦を緩めるかどうかは、最終的にはご自分で判断してください。

ちなみに、私の場合、ライトゲージを張っている場合は、ケースから出している間(交代で出しますので、約1週間程度)は弦は張りっぱなしです。しかし、ミディアムを張る場合、D-18GEも28GEもスキャロップのフォワードシフトですので、最近ではボディの盛り上がりを防ぐため、弦は毎日緩めるようにしています。実は、これが面倒なので、あまりミディアムは張りません…。
  
●ボディーの手入れは? 
新品の場合は、そんなに神経質になることもないのですが、Martinの塗装にはラッカーを使っていますので、化学物質やアルコールを含むポリッシュやシリコンを含む布は使わないほうが無難です。

通常は、何もつけずにから拭きし、唾や汗が乾いてとれにくくなった時は、水を含ませた布で拭くだけでも綺麗になります。しかし、それだけでは新品の艶や“ツルッ”とした滑る感じが無くなってきますので、私は、1〜2ヵ月に1回程度はポリッシュで磨くようにしています。その場合、薄く塗った後、乾いた布(楽器用クロス)でよく拭いておかないと、かえって曇ったようになりますので、注意してください。

もっとも、艶や小さな傷が気になるのは最初のうちだけ。しばらくの間は神経質な程に可愛がってあげてください。

ネックの指板は、レモンオイルというもので2ヵ月に1回程度、ギターの弦を張替える際に拭いておくと、しっとりした感じが戻ります。ただし、あくまでも少量の使用にとどめておくことが大切です。

中古ギターの場合、長年の汗やヤニなどがついていますので、ポリッシュで拭いても白くなってしまうことがあるようです。そのあたりの対策は、染村さんの掲示板が詳しいので参考にしてはいかがでしょうか。 
 
●ギターはケースにしまうべきか?
これも弦を緩める場合と同じで、あまり弾かない大切なギターはケースに入れておいてください。

ケースに入れておくと湿度や温度の変化の影響が少なくなります。また、何よりもご家族の皆さんが誤って大切なギターを壊してしまうという危険を防ぐことになります。小さなお子さんがいるような場合、倒して傷つけた時やシールを貼られたり、クレヨンで落書きされた日には、家庭不和の原因となってしまいます。また、地震で物がギターに落ちて壊れるというリスクも軽減されます。

ケースには入れず、生活の音をギターに聴かせたほうが早く良い音になるという意見も聞きますが、その場合は、日常生活に存在するリスクを受け入れ、「ダメージを被っても、修理に出せば元に戻る」という考えを持っておくことが必要です。

ちなみに、私は定期的にギターをスピーカーの前に置き、上手なギターのCDを聴かせるようにしているのですが、効果のほどは…分かりません。
 
 
●弦はどの程度の頻度で交換すべきか?
レコーディングやステージ演奏をしない限り、切れるまで放置しておいても良い、というのが私の意見です。もっとも、弦を緩めたり張ったりしているとイヤでも1ヵ月程度で3弦か4弦が切れてしまいますし、最近は練習会などで人前で弾く機会が増えた関係で2週間程度で交換しているのが現状ですが…。
  
●傷ついたらどうすれば…。
  ギターを弾いていると、いろんなところにぶつけてしまい、<打痕>と呼ばれるちょっとした傷がつくものです。最初のうちはそんな傷でもものすごく気になりますね。
そんな時、思わず「修理に出そうか…」と思ってしまうのですが、木材の割れに至らないような打痕や塗装の割れは木製のギターである以上仕方のないことであり、音には何の影響もありません。
修理するとしても、何箇所かの傷を同時に修理してもらったほうが1箇所あたりのコストは安くなりますので、傷がついたとしても「修理すればいつでも元に戻る」と考えて、なるべく気にしないようにしましょう。
そうしているうちに、傷に慣れてきますので、修理の必要もなくなると思います。