2004年7月24日
<エッセイ一覧へ>

「きっかけは その一言!」
 
(kado/42歳/千葉)
 


“ね〜お父さん、こんなにギター弾けたら かっこいいよね〜”

それは 長男が まだ小学校5年生で、当時銀行の仕事で
ドイツのデュッセルドルフという街に駐在していた頃です。
実家から送られてくる、日本のバラエティー番組を録画したビデオを家族で
見ておりました。映し出されていたものは、 ある人気タレントが素性を隠して
ストリートミュージシャンとして 路上でギターを演奏し歌を唄い、日銭を稼ぎ
その資金で日本を縦断旅行するという企画でした。 

息子が テレビで弾き語りをする場面をみて 心の底から感嘆とともに
冒頭の “ね〜お父さん、こんなにギター弾けたら かっこいいよね〜” と言った
のです。

“いいか〜 お父さん なんかな〜・・・・学生時代にバンドやって歌を唄っていて
 ギターの弾き語りなんか朝飯前だ〜”
と力説しても “また いつもの はったりかまし〜” と信じてもらえません。
そこで 息子の誕生日が近かったこともあり 無理やり “ギター買ってやる”と
息子の誕生プレゼントにかこつけて デュッセルドルフの楽器屋でヤマハの
安ギターを購入し ギターのある生活が復活しました。
ギターを買って帰ったその日 チューニングを終え 一曲弾いて見せると
半信半疑だった息子が “お、 お父さん めちゃ かっこいいよ”
と うれしい反応〜。

その後のお父さん… 歯止めがかからず マーチンのギターを買い込むは、
バンド活動を始めるは、帰国後は HP (http://homepage2.nifty.com/kadow/
を立ち上げるは、ライブ活動をし始めるは、挙句のはてには
防音室まで導入して 音楽どっぷりの生活に・・・・。

ほんと 息子の何気ない 一言で 眠っていた音楽への思いが一気に
爆発した感じです。

その息子も今は 高校2年になりました。
今だに ハッとする一言を 言ってくれます。
先日 胸に刺さった 息子の一言・・・

“お父さん、 ミュージシャン 腹が出ちゃ〜 終わりだよね・・・”

ダイエットしなきゃ…。  


                          
 
エッセイ一覧へ→
トップページに戻る→