2004年9月4日
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「10万円でマーチンをーーー」
 
(ben/47歳/大阪)
 


小学校4年の時、階下に住んでいた、にいちゃんがギターを弾いていました。
子供心に強い衝撃が走り、どうしてもギターが欲しくなりましたが、なかなか購入出来ずに、やっとのことでクラッシックギターを手に入れることが出来ました。
それからは中学3年まで一気にクラッシックやフラメンコを親もビックリする位に上達し、当時のYAMAHAのコンテストで入賞し音楽の先生に音楽高等学校へ推薦するからと言われましたが、 友人の誰も行かないので結局、普通科の高校へ進学しました。

そのころ高校は、フォークとロックの全盛期で、誰一人としてクラッシクやフラメンコをやっても聞いてもらえない!「これはあかん俺もフォークをやろう!」(動機は不純でしたが)その為には「ギターが違うフォークギターがいるんや」と思ったがお金がなく、必死でバイトをして何とか10万円を貯めました。 

すぐに行動に出ました。
大阪にあるとある楽器店へ、キラキラひかったマーチンを買いにーーーーーー
行けば並んでました当時のD45!

私は、10万円あればお釣りが来る位に思ってました。
プライスタグを見て眩暈がしました「え〜〜なんでこんなにするの!」店員さんのあの冷ややかな眼を今も記憶してます。
シブシブ国産のYAMAKIを8万円で買い「そんなん国産のほうがええんやアメリカ産は作りがえかげん、あんなギターはすぐ潰れる」と必死で自分を納得させた記憶があります。

高校3年間は、そのYAMAKIを磨り減る位に弾き倒しました。
学園祭、地元のライブ、友人達の集まり、他校での友情出演 etc
色んな人達と楽しく大声で歌ったことが走馬灯のように駆け巡ります。

しかし、卒業と同時に何故かほかのものに興味がでて来てもっぱらき聞く側になってしまい、ギターの存在すら完璧に忘れてしまいました?

あれから約28年、子供も大きくなり親に着いてこない年頃になって、「何か手軽ですぐに出来る趣味を見つけないかんなあ〜」と、ゴルフ、草野球、キャンプ、犬の世話ーーーーたいがいがアウトドアばかりだし時間もお金も結構掛かる、何か〜〜とその時、家内が「あの屋根裏部屋にあるギター処分してもいい!」「え〜そんなんあったかいな〜」と取り出してちょっと弾いてみるとこれが結構鳴る!鳴る!
「これや、ちょっと指が痛いけど何とか弾ける」それからは色々と情報を集め始めてあの時、10万円で買えなかったマーチンをついに手に入れました。 

               やっぱりマーチンでした!!!

応援団のオヤジ達の話を聞くと、まだまだ弾く時間が少ないですが、ほかの趣味がだんだんと出来なくなってくる分、マーチンと遊ぶ時間が年とともに増えてくる気がします。

            その為に もう一台ほしいなあ〜  マーチン    


   
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