2006年2月21日
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「楽しけりゃええやん!?」
(ダラダラと長話)
 
(ささやん/43歳/大阪)



 ギターのことはともかく、今はSP大阪という場所、人々に感謝しています。

 私は小学校からいわゆる重症の「どもり」でした。同じクラスに「どもり」の子がいてそれを真似していて自然にうつっていったのでしょう。それから高校1年までひきこもりではないけど、人としゃべるのがいやだったし、国語の時間の本読みの順番がくるのが嫌で嫌でたまりませんでした。それと初恋?に近い女の子から思いっきり「どもり!っ」ってからかわれた記憶は今でも鮮明に脳裏に残っています。今でも後遺症として「いいやすい言葉」を捜しながらしゃべっています。

 兄貴がビートルズを聞き始めたのが私が小学校5,6年のころだったと思います。あのころはラジカセブーム?でFMやAMで流れてくる音楽をよく録音していました。そんな時に何かのラジオ番組で聞こえてきたのが「22才の別れ」だったと思います。あ〜きれいな音だなあと記憶しています。まだギターをやろうとは思ってもいませんでした。

 中学にはいり深夜ラジオで長渕剛のコーナーでギター一本で弾き語りをするのがあったように思います。それからギターに興味を持ち始めたのでしょう。いや、思い出したぞ。中学にはいったころ親戚のお姉さんがヤマハの安いギターをもっていて、そのお姉さんをしたっていた同じ中学の女の子が遊びに来ていたんです。たぶん気になっていたという意味では好きだったのでしょう。その子から「あなたギター弾けるの?」と聞かれたように思います。そのときはどう答えたかは覚えてないけど、ギター練習しようかなあと思ったことは事実です。それに私がうまくしゃべれなくても歌なら「どもる」ことなく歌えるしなあ〜と・・それとやっぱ女の子にもてるんじゃないかというフツツカナ気持ちもあったはず・・

 でも結局ギターを買ったのは中学ではなく、お年玉をためて高校1年のときに買ったのを覚えています。田舎だったので(電話番号が頭6桁あるようなところ)電車にゆられ街まで買いにいったなあ。あのころはマーチンなんて知りませんでした。お姉さんの弾いていたのがヤマハだったのとラジオ番組のCMでよく流れていたのがモーリスでした。あのスーパースターも夢じゃないってコピーです。でも、お店で選んだのはK.YAIRIのYW800というやつでした。安かったのとフレットと周辺に貝のモザイクみたいなのがついてて重厚そうな感じがしたからだと思います。実際に弾いてもその差なんてわかりもしなかったので8万円が5万6千円だったので買ったんだと思います。

 それと安い初心者向けの本を買いました。一番最初の練習曲が拓郎の「結婚しようよ」でした。でもでも、なんとFコードがはいっていました・・弾けないんです。当然ですよね。いきなりバレーコードなんか・・(いまだにB♭はうまくないけど) 挫折してもおかしくなかったのに何かのタイミングで音がでたんですよね〜。でも100回押さえて1回ぐらいでしたね。でも人差し指をつらせながら、コード進行してジャカジャカしていたのを思い出します。

 たぶんこのころから歌うのが好きになったのだと思うし、自分が明るくなったようにも思います。みんなはスポーツとかやってたけど(もちろんサッカー少年でもありました)ギターとBCL(海外放送を聴いて受信報告書を送るとベリカードがもらえるっていう趣味。知ってる人は知ってると思うけど)、それとアマチュア無線なんかもやってました。ようは他人と同じことをするのがいやだったのと、どうしても人と接するのがやっぱりいやだったので一人で楽しむ趣味の世界(スケベじゃないよ)にはいっていったのだと思います。

 あとは坂をころげるようにギターにのめりこんでいきましたなあ。でも独学?なのでちゃんとしたアルペジオやスリーフィンガーなんて知りません!まして音楽理論なんてとんでもない!TAB譜とコードの押さえ方だけです!でも楽しいのはほんとうでした。ほんでもって人前で歌うチャンスが文化祭でしたねえ。高校に入り、「どもり」から抜け出すためになんと応援団部に入部したのです。でも学ラン着て硬派な応援団ではなく、高校野球のための応援団でした。まずは人前で大声をだすことからスタート。放課後はオスっ!オスっと校舎と校舎の屋上で掛け合いをしてノドをからしたものです。のどを1回つぶすと声がのびて歌がうまくなったような感じもしました。

 それで応援団員は軟派な硬派ということで下級生からもてたんですわ。ならばというので調子こいて文化祭でギター一本で剛をやったのを思い出します。

 こうやって自分を振り返ってみると青春はギターともにあったようにも思います。大学卒業してからクラプトンのアンプラグドに出会うまではまったくのブランク状態・・。でもTEARS IN HEAVENを聞いてからなんとかこの曲を弾きたいと焼けボッ栗に火がついたのでした。そしてマーチンという存在も知りました。ギターがいいのはいうことないのでしょうが、なんであんな弾き方と歌い方ができるの?マネしても(するのが間違いか!?)同じ音はでないし、同じフレーズばかり繰り返すのでカミサンからはいい加減にして!って怒られるし・・。ほんでもって中国で売られていた海賊版DVDでクラプトンの2001年ツアーをみてはじめてOOO−28ECを知ったのでした。マイクで音をひろわずなんか後ろにコードをつけてるのを見て「ふーん、なんかちょっと違うのかなあ?」とは思いながらも「ええ音やなあ、やっぱギターがちゃうんやろなあ・・」と感じていました。ネットで調べると高いのなんの。私は弦も軽く1年ぐらいはそのままやし・・。

 う〜ん、なんかとりとめもない話になってきたので切り上げ方が難しくなってきたぞ。言いたかったのは、やっぱ自分が楽しいことが大事だと思うんです。カッコよくひきたいけどできないし、指を使ったテクもできんし、高いギターもいらんし(半分ウソかな?)弾いて歌って楽しけりゃええやんってことです。そんでもって同じ仲間達と楽しくなれたらもっとええやんってことです。もっと楽しみにしているのはウチのチビすけ達(5歳と3歳)が音楽にギターに興味をもってくれればと思っています。(ならば今のヤイリを彼らに譲って俺はマーチンを買うぞ!ってか?ちゃんちゃん!!)

 最後に、ギターができるできんに関係なくわしらの年代はやっぱカッコええオヤジを目指すべきやと思いますよ。うらぶれたサラリーマンなんかにゃなっちゃダメなんです。自信をもってフォークが好き、さだまさしが好きと言える方がカッコええやん?そう思いません?


 
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