「つかずはなれず35年。アコギな人生これからも」 |
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(優/1960年生/福岡) |
ギターとの出会い
姉が持っていたガットギター。今も実家にあるが、ボロい。
小学校6年くらいだったと記憶している。姉達(何と姉が3人もいるのだ)が弾いてるそのボロいギターを、ちょっとボクにも貸してよってな感じでさわり出したのがきっかけだ。その頃姉達は「禁じられた遊び」とか「サルビアの花」とか「黒の舟歌」とか、そんな暗めの曲を練習していたことを覚えている。その流れで、ボクも「赤色エレジー」なんか練習したなぁ。コード、3つしか出てこない、初心者には嬉しい曲だ。でも、輪をかけて暗い・・・・、少なくとも小学生が唄う歌じゃないな。
兄や姉は、ビートルズも聴いていたが、何故かボクはビートルズには興味が持てなかった。「メロディーはかっこいいが英語の歌詞がわからないし、歌えない。感情移入ができない。」というのが理由だったのか。(このことは、今の私の大きな弱点、トラウマになっている。ビートルズ、若い頃勉強しとけば良かった。英語の点も上がったかもしんないし・・・・・)
10代〜20代前半の頃
ボブディランやビートルズをきいてシンガーソングライターになった日本のアーティスト達に多大な影響を受けた。あまり、ジャンルにはこだわらなかったが、高いエレキやでかいアンプ、キーボードやドラムセットが必要なバンドの音楽は、「貧乏な上に友達の少ないオレには無理!」ということでハナからあきらめ、アコギ1本でも何となくできそうな音楽を中心にきいていた。たくろう、陽水、かぐや姫、友部正人、ディランU、泉谷、さだまさし、山崎ハコさんも・・・・、結構、無差別って感じですな。でも、好きなんだから仕方がない。。。
その中でも、ボクにとって古井戸は特別な存在だった。加奈崎のボーカル、チャボ(仲井戸麗市)のギター。この2人で紡ぎ出される世界感。最高だった。古井戸って言ったら「さなえちゃん」しか知らない人多いけど、ち、違うんだよなぁ。もう、廃盤になっているけど「古井戸ラストステージ」って解散コンサートのCD、今だにボクの愛聴盤だが、チャボのアコギプレイ、しびれます。
おっと、ギターの話だ。
中学1年の時、YAMAHAのFG120だったか150だったか、小遣い貯めて、自分にとってはじめてのデカい買い物だった。なんてったって、1万円以上もするのだ。。それを友達に譲って、BlueBellの3万円くらいするやつを高校の時買ったと思う。その後、大学に入ってバイトで貯めた金で、K-YAIRI YW-1000 を買った。大事大事に育てたおかげで、今も無傷で、よく鳴る。宝物だ。
音楽活動
とりたてて、目立った活動はしていない。ちゃんとバンド活動もしたことない。
フォークソング好きの友達と適当に集まって、適当に弾いて、レコード貸し借りして、ってなことを大学を卒業するまで続けていた。歌や演奏を人にきかせるってことより、自分が楽しめればいいって感じで続けていた。文化祭的催しにはちょこっと出演もした記憶はあるが・・・・。でも、長くやっていればそれなりに上達するもので、何となく、周りからも「ギターが弾けるやつ」ということで、カラオケ代わりとして重宝されてたりもした。そういえば、大学の頃は中川イサトさんとかの曲も練習してたなぁ。
20代後半〜30代
就職、結婚すると、あんまりギターを弾く時間がなくなった。でも、ギターを押し入れにしまいこんで、全く弾かないということはなかった。1〜2週間、触らないことはあっても、ひと月以上触らないことはなかったと思う。でも、ウデは確実に落ちましたな。声も出なくなったし。子どもができたら、さらにギターを弾く機会が減り、「いかん。唯一、自慢できる自分の『芸』がなくなってしまう」との危機感から、「すぐ手にとって弾ける、気軽な安いギター」を買った。
ダメ出しする妻を口説きおとして。 何しろYW-1000は異常に大切にしていたもので、1回1回チューニングし、しまう時は、弦をゆるめてすみずみまでふきふきしていた。弾き始めるまでの敷居が高かったのだ。この買い物はボクにとっては正解だった。弦もゆるめず、子供がべとべと触ってもさほど気にしなくて良いギターを手に入れると、「ギター接触率」が相当に向上した。でも、昔はボクのギターを聴いてくれた妻も、この頃から「うるさいからやめて」と言うようになっていった。哀。
40代・今
仕事や家庭サービスの合間に、ちょこちょこギターを弾く生活が続く。本屋さんで見つけた、南澤大介さんの「ソロギターのしらべ」を買って、衰えた視力と格闘しながら、TAB譜を追いかけることもやっている。1曲弾けるようになると、結構、充実感を味わえるのが嬉しかったりする。
昨年から、福岡市で単身赴任中。音楽好きが集まる居酒屋さんを見つけ、よく通っている。昔、同じような音楽聴いて青春時代を過ごしたお客さん同士、それだけで盛り上がれるのがいい。ギターと焼酎に詳しいマスターと、おいしい料理を作ってくれるママに感謝。
それやこれやで、長いことギターとつきあってきた。淋しいときや、たいくつな時はボクの話し相手になってもくれたし、人生を(っていうほど大げさでもないが)彩ってくれたりもした。ここまでくれば、もう、お別れはできません。よぼよぼじいさんになるまでつきあってもらいまっせ。
♪ 今夜ちょっといい気分さ だってR&Rがこんなに溢れている
預かってしまったままの重たい荷物
引き受けられそうなそんな気がしてくる
まるで14〜15の頃の様な気分さ
初めてエレキ・ギター手に入れたあの夏の様な ♪
〜 麗蘭 「R&R Tonight」 〜
仲井戸”チャボ”麗市、2004年発表の曲だ。手に入れたのはエレキではなかったが、この詩、自分に重なって、なんだかグッとくる。10代の頃聴いてたチャボも、RCサクセションを経て、ソロ、麗蘭と、今もすばらしい作品を作り続けてる。
アコギな人生、ボクも頑張らねば。
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