病気の発症 | ||||||||
みつこ(♂) | ||||||||
先週末に、ドイツのフランクフルトで、欧州最大の楽器の展示会、ミュージック・メッセが開かれ、仕事にかこつけて、片道400kmほど走り、見てきましたので、報告です。(とにかく、誰彼かまわず話したいので) もちろん、お目当てはマーチンを筆頭に、いろいろなアクースティック・ギターです。 昔、フランクフルトに駐在していた30代の頃、このメッセ・ホールで、ポール・マッカートニーやエリック・クラプトン、ワムなどのコンサートを見た、懐かしいホールです。 しかし、このメッセ、本来は業者専用だったらしく、4日間のうち一般公開は、最後の土曜日一日だけです。従って、一般入場者は土曜日に集中して見に来るため、広大な会場が人で埋め尽くされる感じでした。 まず、マーチンですが、”永年勤続表彰”のような形で、Inlayの達人、故Mike Longworth氏を記念したD45。元バーズのロジャー・マッギンの7弦シグニチャ・モデルのHD7。スティーブン・スティルスの00045S辺りが、目を引いていました。マーチンはおおらかなもので、どのギターも自由に手にとって弾けるように展示されています。小生にとって、D45は初めてでした。だめです。あのギターは、毒があります。手に取る人を、引き付けて離さない毒が。 マーチンの隣には、「麗湖」が、こじんまりとしたブースを構えていました。前から目をつけていたA54は・・・無いんです。向かって左の壁面には、星座をあしらったZodiacシリーズ。右はスタンダードシリーズが掛けられていたのですが、Aサイズのオーディトーリアムだけが見当たりません。 仕方が無いので、会場をぐるぐる回り、他のメーカーを見てきました。チェコのフォルハ(Furch)は、人が多すぎて、去年メールのやり取りをしたセールスマネージャーのジリさんに声を掛けられません。 タカミネ、S.Yairi、ラリビー、Taylorなどがありましたが、どうも小生の気持ちに訴えかけません。さらに、エレキの方にも足を伸ばし、フェンダー、ギブソンを見ていると、ペグのゴトーが、小さなブースを出しているのを見つけました。 ヤマハは、恐らくピアノやエレクトーンを中心に、ひとつのホールを1社で全部使ってやってたみたいですが、小生は興味ないので、パス。 しかし、どうしても麗湖に後ろ髪を惹かれっぱなしなので、再度行ってみて、忙しそうにしているおばさんに話を聞いてみました。 「Aサイズが置いてないみたいだけど、Mとどれくらい音が違うのかなあ?」 「う〜ん、そうねえ、あたしの旦那だったら、分かりやすく話しが出来るんだけどねえ・・・」 「旦那さんは?」 「今日は来ないのよ」 ・・・残念! 「じゃあ、フランクフルトに麗湖を扱ってるお店があるよね?」 「あら、シュミットって知ってるの?」 「うん。昔、フランクフルトに住んでたんだ」 「まあ、そうなの!うちは、ギーセンなのよ」 「そうだってね、近いよね」 「シュミットだったら、いつも麗湖は何十本もおいてるはずだわ」 「じゃ、これから見に行ってくるよ」 これが、ある種の病気の症状だと言うことぐらい、応援団の皆様はすぐに分かるのでしょうが、小生は発病してまだ間もない為、自分の気持ちがコントロールできなくなるくらいの昂ぶりがくることは、夢にも思わなかったのです。 さて、30分後、小生はシュミットという楽器屋さんの2階の別室で、タイ人の店員と対していました。 「麗湖、弾かしてよ」 「へ〜、よござんすよ。今、チューニングしやしょう」 「その奥の一番高い奴ね、A54てやつだよ」 「ま、ごゆっくり」 「おっ、なんじゃ、この赤っぽいバックは!これは、メッセで見たM54とも違うハカではないか!」 「・・・・・・・・・・」 10分ほど、爪弾いてみると、明らかにマーチンとは違う音色の、音量の大きい、小生にとって新種のギター。 音量は、オーディトリアムのくせに、十分大きくて、逆にうるさいくらいかなあ。ネックは、マーチンのDよりは幅広だけど、こんなもんだろうなあ。ピックガードないけど、いいかなあ。12フレットジョイントだけど、ハイ・ポジ平気かなあ。 などと、うだうだ・・でも、気が付いたときには、タイ人対日本人の値引き交渉が始まっていました。 タイ人、意外と日本人に対抗意識があるのか、なかなか引きません。そうか、もともとのお店の値段から600くらいすでに引かれていたのだ!キャッシュだと100引くけど、カードだと50しかだめ。しかたがないので、手を打ちました。 結局ね、メッセの報告よりも、オランダに来て丸2年で、もう3本もギターを買っちゃったんで、それを報告したかったのかなあ。 今日は、風邪気味で会社を休んでいます。 |
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2005/04/14 | ||||||||
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