K,ヤイリ工場見学にあれこれ想う
百太郎
  

私がK,ヤイリ工場に訪れたのは3月10日の事だ。
現在入院中の身なので必要最小限の予算で旅をするのは必然だろう。
朝4時に出発、高速を使わず国道をひたすら岐阜県可児市へ向かい、9時に現地に着いた。約束の時間は午後1時、私以外にも見学者が居るようなので市内見学して時間をつぶす。

時間になったので事務所に入ってみると「担当者が来るまで2階のギタールームで自由にギターを弾いてください」との事。2階のギタールームには歴代から最新までのギターがぎっしり並べてある。どれから弾こうか?全部のギターを試奏するには1週間は掛かりそうだ。

まずYW-350を手に取った。ズッシリ重くぜんぜん鳴らない。弦が古いか?立ち上がりが悪く、しばらく弾き込まないと鳴らないと思う。次に手に取ったのがKK-46?(だと思う)これは良く鳴る。低音から高音までバランスがすごく良い。この2台でもK,ヤイリの技術の進歩がうかがえる。

次にノクターンだ。これは私が欲しいと思っていたギターだ。見た目もかわいく、いつまでも弾いている事ができる。パーラーギターだが思ったよりネック、ブレーシングが太くしっかり作ってあるようだ。ノクターンの音だが意外に鳴るので驚いた。後で矢入社長に聞いたことだが、過去のトップ材の余りが20年分も山積みになっていて勿体無いと思い、一五一会・ノクターンを考えたそうだ。木が相当乾燥しているので良く鳴るのだろうと想像する。

見学者もそろったのでいよいよ見学が始まる。私を含め8名程度だ。担当者はゼネラルマネージャー矢入さん(社長の息子?婿?らしい)。この日初めてお会いした方々に、オヤ応の名刺を渡しオヤ応のアピールをしたことは、言うでもありません。(いずれオヤ応のスポンサーになってもらう下心もあるのだ)

まず、ストック材はかなりの量がシーズニングされている。他の土地にもストックしているとの事で、今の生産量で行けば20年分があるそうだ。ちなみにMartinのストック量は2年半分をキープしてるようだ。自然環境が叫ばれている現在、ストック量がギターメーカの将来を左右するのではないか?

工場内は古い建物が増築されつながっている。お世辞にも綺麗とはいえないが、工場の板張りの床が実はギター用の木材なのだ。シーズニングも兼ねているとは驚きだ!最悪材料が無くなれば板をはずしてギターを生産するようだ。

各作業工程についてはある程度理解してるので今回は省略する

K,ヤイリの職人の人数は約30名で、その中でも雑誌にも紹介されている小池チーフ、アーティストリレーション担当の松尾さんを見つけ握手をしてもらった。また、メンテナンスでビギンのギターがあると写真を取ったり自分は結構ミーハーかな?

矢入一男の名前は15歳の頃から知っているが、会うのは初めてだ。気さくで物づくりかけては今でも新しいギターを考え作っていると言う。今考えているのが、新品なのに傷だらけのボロボロのギターだ。事務所に置いてあったギターが出来立てのギターだったとは驚いた。

一五一会はギターが弾けない人にも弾けるギターだが、実は障害者や年寄りのリハビリにも使われているという。

この日一番の目的は、自分をK,ヤイリに入社させて欲しいということだった。しかし社長にあっさり断られてしまった。もちろん予想していた事だが、自分の手でギターを作りたい決意は変わらない。

今現在ギター製作の準備を密かに進めているのだ。1号機はスパニッシュギター、2号機はOMタイプ、3号機はDタイプ、4号機はフィンガーピッキング用SJタイプだ。

将来の夢、田舎にログハウスを建て、ギター製作をしながらギターを弾く、時にはライブが出来たら幸せだろう。

 
2007/04/08
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