これぞフォークソングの絶唱
瀬尾はやみ
常々尊敬して已まないウッディ・ガースリーの絶唱とも言える歌があります。
ウッディ・ガースリーは あの有名な 「我が祖国」 を作ったフォークアーティストとして知られていますが、 これこそ彼の代表作と私は思います。
それは 「豊壌の大地」 という歌です。
我が日本に、これほどのスケールとこれほどの確固たる信念で歌うフォークシンガーが出てこないのはなぜでしょうか。
「豊壌の大地」(訳 瀬尾はやみ)
畑の畝は固くて手は傷だらけ
熱くて埃だらけの道で足はマメだらけ
ダストボウルを抜け出して西を目指したのさ
砂漠は熱くて山は寒かったぜ
緑豊かなこの国をオレはぜんぶ歩き回った
どんな作物でも摘んだよ
ひょっとして町はずれでオレのことを見かけたかもな
オレは埃をともにやってきて風とともに消えて行くのさ
カリフォルニアでもアリゾナでもオレは作物を摘んだ
それからオレゴンへ行ってホップを摘んだのさ
土からはビートを掘り出し蔓からはブドウを摘み取った
お前さんのテーブルに素敵なスパークリングワインを乗っけるためにな
宿無しのオレが一つところにいないのは川と同じさ
緑の谷でオレは死ぬまで働くのさ
死がオレを自由にしてくれるまで旅を続けるのさ
この国の豊かな谷はいつも緑だもんな
オレは埃をともにやってきて風とともに消えて行くのさ
2008/08/29
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