YD-304のリペアレポート(その@) | |
味噌ッカツ | |
やっと届いたS.YairiはYD-305だとばかり思っていたが、YD-304であった。入手時の状態は、愛器D-41をも遥かに凌ぐとんでもない状態。 ◇入手経緯 二十歳の頃に一緒にバンドをやっていた友人が買ったもの。その当時友人は何故か金回りが良くて我がバンドのアンプ2台、ベースギター(グレコのジャズベースでブラウンのボディに白いピックガード、BOOSTアンプが内臓の当時としては高級品)等もワザワザ揃えてくれた。 その友人と数年ぶりの電話での会話 味噌 「ところでヤイリどうしてる?」 友人 「あれねぇ、何かネックが反っちゃったみたいでもう10年以上触ってない し、家にあるのは確かなんだけど何処にあるのか判らない」 味噌 「使ってないなら、それ頂戴!メンテナンスしてみるから」 友人 「それじゃ、探してみる」 数日後 友人 「見つけたけど、酷いよ。本当に鳴るようになるかな?」 味噌 「いいよいいよ。駄目モトでやってみるから。最悪壊してもいいよね。」 友人 「それは拙いけど、まあいいか。それじゃガレージに入れておくから勝手に 持っていって」 またまた数日後 味噌 「いま、引き取ってきたけど・・・・」 友人 「なっ、すごいだろ。チャンと鳴るようにしてみな」 味噌 「・・・・・。とにかくやってみるよ」 ■まず、ネックのチェック 弦は6本張ってありました(!)が、赤錆の噴き出た酷い状態で、しかもテンション掛かりっぱなし。糸巻きの六角ナット下の座金は真っ黒に酸化し、弦を緩めようとすると弦がポキポキ始末。ナットを傷つけてはいけないのでニッパーで切断。シャーラーのペグは健在。ネックは物凄い逆反り(反りと言うよりも曲がりと言った方が適切)、そのため指板が1〜5フレット付近まで剥がれてしまっている。若干の捻れもあるようだ。 ■ボディのチェック サイドとバックのハカランダの塗装が広範囲にわたって白濁。これはもう放っておこう。3ピースの真中のメイプルは綺麗な木目健在。 ブレーシングの剥がれはなく、トップの膨らみもなし。ブリッジも大丈夫。サドルの下にφ1.5程度の金属棒が埋め込まれていた。これを発見したときはPUが埋め込まれているのかと思ったが、これはネックの反りに対抗して、サドルを持ち上げて使用していたためと思われる。 黒檀のエンドピン、これはもう使い物になりません。S.Yairiはエンドピンに溝が切っていなくて、ブリッジに溝を切ってあるタイプ。 D-41用の予備を引っくり返して使用しよう。 トップのラッカー塗装は、褐色に日焼け。良い意味で貫禄がついている。 ■シリアルナンバー 「5681 S」これは1975年夏ごろに681番目に作られたものらしい。 ■リペアについて 皆さんからのブーイングを覚悟で、年末年始の楽しみとして自分でやってみようと思う。 一通りの道具は持っているのですが、接着剤の膠がない。探してみるが、タイトボンドで代用する方法もある。 また、一通りの工程を記録しておきたいがデジカメやビデオカメラがない。写メールのカメラとAPSカメラで取り敢えず、記録しておこう。 【作業方針】 問題のネック。隠しアジャスタブルロッドの調整部が1フレット下に隠れているので、これを一先ず調整してみなくてはならない。指板が浮き上がった隙間からロッド調整のための溝が切ってあるのが見える。 不幸中の幸いで、指板が既に剥がれ掛けているので、スチームアイロンとパレットナイフで剥がして見ようと思う。ロッドを調整しても駄目なら、アイロン掛け(これまたブーイング覚悟)で強制的に直してみよう。 さぁて、国産ギターファン垂涎の的のYD-304。こんないい加減な修理をしても良いのだろうか。結果が楽しみである。 |
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2002/12/26 | |
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