YD-304のリペアレポート(そのA)
味噌ッカツ
 
いゃ〜!それにしても物凄い反りである。
指板が剥がれ掛けているので、パレットナイフを滑り込ませるのに丁度良く、工程の第一段階は既に終了しているようなもの。剥がし始めるのが非常に大変なのだ。

■用意する道具
パレットナイフ×2、霧吹き(ノズルが調整できるもの)、スチームアイロン、ニカワ(膠:漢字が難しい)、Cクランプ×4、六角レンチ(L型ではなくT型のグリップ付きで先端がR加工してあるタイプ)、添え木(クランプ時に使用、長さ600ミリ程度の製材済みのもの→ネックの曲がりチェックに兼用できる)、厚手のフェルト(Cクランプの数×2、椅子等の足に貼るものを流用)
※今回六角レンチは上記のものが無いので、長さ200ミリの先端加工のしてあるL型レンチに、ハンドタップ用のバイス(タップを固定して回すグリップのようなもの、正確な名前は知らない)を装着してT型とした。結果的には相当な力が必要だったのでこの方式は大正解であった。

■作業準備
準備:トップにスチームが掛からないように、厚紙などでマスキングしておくこと。
ペグは外しておくべし、できればナットも(ついでに磨いておく)
広いスペースを用意して、使用する(使用した)工具類の置き場所をきちんと確保する。これは勿論傷防止が第一だが、使用中の工具で傷を付けたり、工具を亡くさないようにするため。

■第1日目〔指板の剥がし作業〕
@ まず、僅かに浮いてしまっている1〜5フレット付近の指板の隙間にパレットナイフ(今回は極薄の角型フルーツナイフを使用)を差込み、霧吹きのノズルを調整して水鉄砲状にし少量の水を注入する。
A 指板にポリッシュクロスを敷き、その上からアイロン(麻布用の温度)をあてがう(このときはスチームを僅かに出す)。
〔@〜Aの工程を幾度も繰り返す〕
B いよいよボディが近づいてきた。ここからが肝心。霧吹きで隙間に水を注入し、アイロンをあてがう。指板が十分に加熱したら、差し込んだナイフを少しずつボディ側に食い込ませようにする(焦りは禁物だ)。
C サウンドホール付近は裏側からの補強がされていないので、特に慎重に十分に加熱してソロリソロリと剥がす。
D ここまで約3時間、ようやく指板が剥がれた。日焼け前のトップの色が確認できる。ネックと指板のニカワを、水を含ませながら丹念に掻き落とす。
E アジャスタブルロッドに六角レンチを差し込んで反時計方向にまわし緩めておく。
ロッドを緩めて暫くしたらネックの反りが若干ながら戻ってきた。
トップにスチームが当たると塗装が白化してしまうので注意が必要。今回はウッカリ白化させてしまったが、再度スチームをかけレモンオイルを少量染み込ませたクロスで丹念に擦ってやると自然な色と艶が戻った。ついでに全体もやってみたが細かな傷が消えて結構いい感じになった。

◇第1日目はここまで。
  第2日目はいよいよネックの矯正にチャレンジ。

 
2002/12/28
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