原点を考えることについて
 
日高の鳥さん
  

「エンタメ」
 ある人が技能で人を楽しませ、多くの人がその技能を鑑賞する。こうした見せ物、出し物、余興がエンターテインメントと訳される。そういう意味で、オヤ応のSPで行われている練習会やミニライブなどもエンタメである。当事者はそう思っていなくても、第三者から見れば、出演者と客の立場に分かれたところで練習会も立派なエンタメである。

 自宅では味わえない緊張感や、うまくいったときの達成感は、人に見られていることから生じるものであり、感動したりさせられたりすることで、知的な満足感に浸ることができる。もちろん、同好の諸氏とのいろいろな会話はそこにスパイスを加える。楽しむとは、気持ちよく朗らかになることだが、感心する、感動することも楽しむことのひとつである。だからこそ、出演者は客を楽しませようと歌やギターを練習するし、何か面白いことのひとつも言おうとMCに頭を悩ます。

 私たちはアマチュアで、どんなに素晴らしい技能や技量をもっていても、仕事として金銭報酬を受けない限りアマチュアである。プロは職業、アマは趣味と割り切ってしまえば、技量の差というのは評価する側の問題となる。プロ並みやプロを超えるアマチュアは大勢いる。ひたむきさや真摯な姿勢はプロにも求められることで、アマチュアだけではない。

 SPにおける音楽的な技量の差は誰もが認めるところである。同年代で同好の集まりだが、個々に音楽的な経験や環境が違うため、技量の差はやむを得ない。ここから先は、SPの何が魅力なのか、なぜ練習会に参加したいと思うのか、自分の中で片をつける問題だと思う。

 この当たりでオヤ応の原点に立ちかえり、SPという箱の形を明確にしたいという意向があるとすれば、あまり初心にこだわらず、増えたメンバーの数だけ思いがあること、メンバーはベテランの大人たちであることを思い、せめて八角形くらいの箱でおさめてほしいと思う。しかしながら、登録するメンバーは大勢いるが、実は、遠巻きに見ているだけのメンバーが多く、ともすると何でこんなことやってるのだろうと自問自答したくなるような環境にある中で、自分たちの立ち位置を再確認しようとする姿勢は素晴らしい思う。



2010/10/27
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