宮沢賢治に曲つけた 
 
日高の鳥さん
  

雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ
雪ニモ夏ノアツサニモ負ケズ・・・・

広く知られた宮沢賢治の詩である。
二、三ヵ月前に、加藤和彦氏の追悼番組の中で
加藤氏が曲をつけて歌っているシーンに釘付けになった。
スリーフィンガーで弾く明るくテンポの速い曲で、
「あの素晴らしい愛をもう一度」を思い出させるような、
フォークソングのお手本のような楽曲に仕上がっていた。

ライブ用の新曲作りに苦しんでいた私にとって、
それはまるで神の啓示のように見えた。これだぁ!
しかし、詩をいじることはできないので、
原文におたまじゃくしを乗せなければならない。
字余り、言い回しの違和感、堅苦しい言葉など
作詞された文ではないため、うまくいかない。

紆余曲折。スローな曲を考えるのは止めにして、
加藤氏と同じようにフィンガーピッキングに仕上げた。
軽快なブルース系にしたので字余りにも対応できた。
詩は賢治の博愛主義的で宗教家のような思考表現で、
皆にばかにされても正直に生きる真人間の姿を描く。
こんな経験は初めてだったが、苦労した甲斐があった。

うんと練習して、
自分の歌になったとき、
宮沢賢治と競作したと自慢したい。
今度は萩原朔太郎にでも挑戦するかな。
そのうちどこかのSPで歌える日が来ますように。
 
2011/11/28
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