工事監督の仕事と天気 
 
ラルフ
  

工事監督と言う職業は、非常に天気を気にする商売である。
まずは、納期に関係があるからだ。また安全の為にも、非常に気にする。

昔の職人さんは、雨が降ると休みでした。その後の職人さんは雨でも出勤し、監督の中止命令が出るまで、粘る輩もいる。
雨の中で、作業をし 10時頃監督が、見るに見かねて中止宣言をすると。
軍艦マーチの流れている所へ、直行なわけである。

今はきちんと日曜日が、休みなので、雨でもそれなりの作業が、行われる。
職人の世界は 隠語が非常に多いのです。慣れるのに5年ほどかかりますね。
「ゴヘ」は ゴーヘッドで、頭を上げる事です。クレーンのブームを 起こすことを言います。水商売系(ペンキ屋さん)は、「しゃぶちゃん・まぶちゃん」。これは、シンナーの多さ、しゃぶしゃぶは 多めで早く乾かしたり・膜厚(塗料の料少なく)を、手抜きする時 マブは かなり濃くし、膜厚を上げるのですが、3回塗りを、2回で上げても検査は 合格します。
話横道にそれました。後日 つぶやきます。

今から35年ほど前、九州の超大手製鉄所の、エンジニアリング会社の監督さんと、一緒に仕事をした時の事である。
私はまだ20代、彼は60歳くらいだったかな。彼は私に「あと何時間で雨が降るから準備して」必ずぴったりと当たるのである。完ぺきでした。

そうです彼は ゼロ戦のパイロットだったのです。今の天予報士じゃかなわない、彼らは自分の命が、掛かっているからです。3分の1の人間は、エンストで海に墜落死だそうです。

敵の戦艦に向かって飛び立ち、攻撃を終え、引き上げ 真っ青な何にもない、太平洋上を、自分の空母に戻らなければ、落ちるのです。
ゼロ戦はレーダもないし、ましてやGPSは無いのである。
方位はわかるので、あとは天気を読み、自分で計算し向かい風・追い風・横風・風雨・気圧すべて、経験上覚えないと 迷子で海に「ぼちゃん」である。
案内標識は無く、あるのは、地平線までの青い海・・・

そんなわけで彼は、指をしゃぶって間隔的に 気圧を読めるのです。雲に関して、「あの雲が出たら、雨!」必ず当たります。
こう考えると 戦争って恐ろしいものですね。一人の人間を精密機器にさせるのですね。

私はS系の製鉄所から K系の製鉄所へ転職をした。ある重大な事件があって

それまでは溶鉱炉の建設が メインだったが、今度は何でも屋です。週一で 神戸・広島に出張(重工メーカーが多いから)営業・現場説明・入札・単なるお酒の相手、私はノンキャリで 課長までなった。

キャリア組はそんなことはしない。その時神戸・淡路大震災が 起こり本社が神戸だった関係から、有無を言わさずお金も決まらず6日後?工事突入(部下)
バスが落ちそうな所の解体工事、 その後高速道路の耐震補強・東京湾横断道路建設、最後は羽田D滑走路の計画で、閑職。

東京湾横断道路は、ほとんどが関西の重工メーカーで物を作ります。(現地工事・トンネル工事以外)トラックサイズか・船に収まるサイズです。それは現場の海の上に、直接持ち込むのではなく、東京湾内の空き地?で、大組立・塗装・偽装・持ち込み待ちをします。

橋梁部分は1スパン120m位に 組立 現地ゼネコンの日程に従って 運ぶのである。東京湾内で(砂浜じゃダメ)荷物を荷揚げする、岸壁にある、100トンクラスのクレーン(コンテナークレーンで 約40トン吊り)がある所・4400トンのFCがつけられる場所。

東京湾内は千葉県富津の製鉄所と千葉県蘇我の フクダ電子アリーナの前の製鉄所だけである。私は各メーカーに顔が利きまた 各メーカーも私を頼った。
受注できなかったのは、シールドマシーン(トンネル掘る機械)だけであった。

受注できなくても、長年の付き合いで 相談役になった。千葉側の工事をする時は、木更津に亡くなった 怖い先生の取扱い説明やら(向こう側は・ライオン丸・こちら側は テレビタックルの ラスベガス 方や頂点・方や引退)

荒天率(天候悪化で仕事できない日の割合)の相談、場所貸し、製鉄所は固定資産の関係があるから、場所代が月坪000円と言う、たとえ身内であっても、請求されます、直接製鉄生産関係でない限り、しかし裏道があり、金額が大幅に違うのです。大体40万平米を、借りても、総務の事務屋さん
40万平米何て?わからないから、ごまかすのである、税務署もわからない(よっぽど 悪質なことでない限り)半分くらいの借用願を出し、倍使うテクニックも有る。めちゃくちゃバブリーな課長だった。まだバブルの臭いがあり、タ誰も持っていない携帯電話を持ち牛乳パック位だった・クシーチケットは、ブックでもっていた、真夜中銀座からタクシーで市原の自宅で帰り 翌朝寝坊 あわててドアを開けたら そのタクシーの運ちゃん 家の前で寝ていて、それに乗って出勤したこともあった。某霞が関の人を銀座~銚子まで乗せた、田舎町のお屋敷街道が狭く、タクシーが塀にこすった、運ちゃん平気でだいじょぶだ¬~そのお客の店でまた飲み その間タクシーを待たせ、自宅市原市に帰った。
天気・天気 

機械屋さんは 重量物を 据え付ける時まず、パット打ちと言う事を行います。
100トンクラスの機器を水平に置くため、アンカーボルトの両脇に はがき大の板厚22mm位の鉄板を無収縮強度セメントを使い、ざるを伏せた様にし、その鉄板をハンマーで打ち込み 沈めて、レベル(道路で三脚で望遠鏡を覗くやつ)。で、高さを均一に揃えるのです。精度の高い奴だと、1/100mmを要求されます。機械を据え付け アンカーボルトを締め込み・機械の下周りを今度は グラウト用強度セメントと言うもので流し込みます。
気温・湿度によって水の配合が 微妙に違うのです。(本当は適当なんですが)
セメンの量と水の量 (民間工事は、ありませんが、公共事業は写真があり手が抜けません)天気の知識が無いとダメなのです。

塗装も当然天気です。やれるかやれないかもそうですけれど、渇き時間が異なります。
一番困るのは荒天時の、中止命令、煮え切らないと職人さんに嫌がられるし、
中止をかけてから、天気が良くなったり、一番気の使うところです。

2013/10/27
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