私の初恋 
 
ラルフ
  
先般旧友と話をして 1970年代の事を、思い出した。
初恋か片思いかわからないが、鮮明に、思い出した。
私が バンド仲間と 駅前の酒屋でコーラーを買った。

そこに、私と同年代の、女性の店員さんがいた。
いきなり 『あなたは、昨日私の夢の中に出てきた人だ!』と、
言われた。 若い者がそんな事を言われ悪い気はしない。

ちょくちょく、通った。私の田舎の駅の向かい側(実家は反対側の酒屋)
ある事件により、退学せざるを得ない事件が起きた。

私は、働き口を探すのと、住む所を探すべく、札幌に向かった。
鈍行で札幌行きに乗った。 私の住んでいる町から、札幌に出るためには、
ちょうど中ほどの(1H)苫小牧と云う所で千歳線に乗り換え 
さらに1時間かかって札幌に出るのです。
学校から、退学せよと迫られ、失意の中で、汽車に乗った。

客席になんと その彼女がいるのでした。物悲しそうにして。
相席して、小一時間話し合った。私は高校を退学して、
これから 住む所と、家を探すことを言った。

彼女には彼氏が居たのだが、別れるために、会いに行くと話した。
彼女はその汽車で、苫小牧より先の方へ行く、私は苫小牧で見送った。

札幌に着いて、仲間がもう、仕事と一軒家を 用意してあるから大丈夫と
言われ、私はとんぼ返り。

彼女の様子(心の中では好きだったんだろう)が心配で、
戻ってくる、汽車時間に合わせ改札口で待った。
幸い私の家は、駅前出し、何せ北海道 1時間に一本くらいしか汽車はない。

会えたのは3日目だった。
聞くと別れてきた、住む所も変えるといった。
北海道で職を探すのは、札幌に出るしかない時代だった。
ちょうどサッポロオリンピック景気だったから。

再会して、私は一緒に札幌に出よう、家もあるからと誘った。
少し考え、彼女は同意した。荷物もあまり無いという事だったので。
翌週に駅で待ち合わせをすることにした、
私は、先輩の運転する車で待った。結局現れなかったのです。

私はそれから札幌へ出て、働きながら、毎週探した。
たぶん同じような職業に付いているだろう。
どんな田舎町にも お酒屋はある(今みたくコンビニはない)
駅前の酒やが 切手から・たばこ・お米・雑貨屋だった時代である。
私の実家もそうだった。

別れた先の駅に降りて 酒屋で聞いて回った。
2年目にして やっと由仁と言う町で見つける事が出来た。

そこは彼氏の実家のある街だった。
今日この文章に 書くにあったって
親友と数十年ぶりに出会って 昔話をした事が
私を17歳に引き戻したのである。
あれから 40年以上経った。

淡い切ない恋だった。

今日ふと思い。由仁町商工会と云う所を
探し電話で、尋ねると 快くお酒屋の電話番号を
教えてくれた。そこに電話すると お店は
もうやっていないが、確かに その子が
働いていた事を話してくれて。

この街に住んでいて 電話番号も教えてくれた。
なんだかな~
これが 私の青春の初恋だった。


2016/02/14
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