奴はセカンドだった。
000-おやじ
 

私が三年生になった夏。私の高校は、甲子園で準決勝までいきました。
あと二つ勝てば、甲子園で優勝だったんです。
その時のセカンドがY。今はスナック経営してます。
Yから、電話がかかりました。

「テレビでS&Gのセントラルパークやってたろ?見たか?(^^)」
「ああ。見た。あはははははは。かっこいいな。(><)」
「おう。あれを、俺とお前でやるんだ。(^^)」
「.............やるんだって、ちょっと.......(・・)」
「日曜日の三時。うちの店で練習。マーティン忘れるなよ。じゃな。」

................あははははははは。何、考えてんだあ?(><)
................日曜日。三時。Yの店。

「うちの客は若い娘が多いからな。どーする?あはははは。(^^)」
「ぎゃははは。お前の、総ての行動の動機は不純だっ!!(><)」
「身が持たねーな。......おじさん、テレちゃう。うわはは。(><)」
「俺は昨日、鏡の前で腕組みして唄う練習した。言わせるな馬鹿。」
「実は俺は、流し目を研究していた。わははは。やってみようか?」
「よせ、気持ちが悪い。あははははは。(><)」
「でもな、...................」

「.........しかし、相手が若い娘となると、話題が難しいぞ。(・・)」
「それだ。まさか日露戦争の話題で盛り上がるとは思えん。(・・)」
「橋幸夫の物まねはどーだ?美空ひばりもできるぞ。」
「いい芸を持ってるなあ。おれは腹おどりしかできん.....(..)」
「それがな、...................」

「..........おい、バンド名を考えなくてはいけないぞっ!!(><)」
「すっかり忘れていた。『二人で百歳』っての、どうだ?(^^)」
「わははは。老人ホームに慰問に行くんじゃねえ。もっと今風の奴。」
「じゃ、『イヴニングおやじ』は?」
「あはははは。『モーニング娘』と共演しなきゃなっ!!(><)」
「そーだっ!!ありうるぞ、可能性はあるのだっ!!(><)」
「それより、『徹子の部屋』に呼ばれた時が問題だっ!!(><)」
「その時は、俺が手前に座るぞ。その方がデカく写る。(^^)」
「がはは、『あっち向いて、ほいっ!』で決めよーぜっ!!(><)」

................Yのカミさんがひょいと、顔を出しました。

「もう五時だし、お店あけるよ。あれ?歌の練習したの?(ーー)」

「......................................あ。(・・)」


2003/01/29
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