2005年1月21日
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「オレ流」ギターの楽しみ方
 
(トッチ/49歳/静岡)
 

 今、私の手元には7本のギターがある。マーチンが3本、フィンガー向きと言われているギターが3本。それにエレアコが1本である。サイズは、DとO、それにOOやスモールジャンボに相当する大きさのものがある。材質は、ハカランダ、ローズ、マホガニー、メイプルである。

 妻は諦めて今では何も言わないが、知人の多くは不思議な顔をして「ギターって皆同じようなものなのに何故そんなに持っている必要があるの?」と言う。でも違うんですよネ。

 私は月に1回程度のバンド演奏を楽しんでいるが、ブルーグラスやモダンフォークにはドレッドノートと12弦が欠かせない。昔ギブソンを使っていた時期があるが、この手のバンドにはマーチンの出しゃばり過ぎない音とバランスがピッタリ合うと実感している。家では一人静かにフィンガーピッキングを楽しむが、小さめのサイズが丁度良い。歳をとると肩が凝りやすくなるので実に重宝である。エレアコは、屋外のイベントや結婚式などで演奏した時にマイクの数が足りなくて苦労した経験があるので買った。でも最近お呼びがかからないのでケースの中で眠っていることが多いのは残念だ。

 体調や気分の良い日にはハカランダを弾く。あの煌びやかでリッチな音はますます元気を与えてくれる。逆に良くない日にはマホガニー。軽くて明るい音は気分を変えてくれる。ちょっと落ち込んだ日にはメイプルを弾く。一般にメイプルの音は固いといわれるが私のギターは甘くて柔らかい。この音色を聞くと気持ちが落ち着きホッとする。ローズはいつでもOK。あァ、ギターを弾いているんだという気持ちにさせてくれる。

 こんな訳で私のギター達に不満はない。でも他に欲しいギターはある。’55年製である。私と同じ年に生まれ、見知らぬ土地で会ったこともない人に弾かれてきたギターが存在すると思うと何故か胸がキュンとする。それとマーチンの45。これは私のギターに関するこだわりや理屈を超越した存在である。我が家の押入れはギターケースで一杯だし家計も楽ではないので、どうしても欲しいとなったら今のギターを手離さなければならなくなるのがつらい。でもこれは幸せで楽しい悩みなのだろう。

 こんな人生を与えてくれたギターに感謝、感謝・・・・。


 
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