2005年1月27日
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「じゃがたら日記」
 
(バタビアのMASA/44歳/インドネシア)
 


ジャカルタへ赴任して早や2年。前任地のバンコクと違い、音楽愛好家にとっては快適とは言いがたい環境である。

まず、ギターの弦については値段は高いがMartin弦が買える。しかし、気をつけないと錆びている場合があるので、あわてる店員を尻目に開封して確認しなければならない。

その他の消耗品も、まず気に入ったものは手に入らないので、日本に帰国した時、お茶ノ水あたりでまとめ買いしている。

この辺りは私が勝手に師と仰ぐアデヤッコ氏も似たような状況らしい。
バンコクやパタヤと決定的に違う点は、こちらにはTower Record がないことである。CDを売る店はたくさんあるが、置いてあるのは顔良し、芸無しの売れ線ポップスターのベストアルバムばかり・・・。

純粋な余暇として音楽を聞こうとする時、ちょっと練習すればコピーできそうな曲はついつい頭がコピーする為の集中へとシフトしてしまうのでリラックスできない。

これがYesを始めとするイギリスのプログレバンドなどのように、私の腕では到底真似できないようなものや、モダンジャズのようにノートが異なるものならば、安心してリスナーに徹せられるのだが、それらのCDは幸運の助けを借りなければ入手できない。

Appleの i tunes music store が3月頃に日本上陸との噂に少しホッとしているが、やはりレコード屋へ行って、ジャケットを見ながらああだこうだと思いをめぐらしながら買うという方が何倍もの楽しみがあるのは言うまでもない。

だいたい、音楽のNet 配信なんてレコード屋の絶滅を招く以外の何者で無いと、つい最近まで憤慨していたのだが、よほど音楽に飢えているようだ。i pod shuffleも予約してしまった。

私が東南アジアに興味を持つきっかけを与えたもののひとつに、ユーミンの『スラバヤ通りの妹へ』という曲があるが、このスラバヤ通りは私の家から10分ほどのところにある。
会員の皆さんの中に、私と同じ様にこの曲が好きで、いつか機会があったら行ってみたいとお思いの方がいたら、是非行かないことをお勧めする。
詳しくは書かないが、あの名曲の世界は自分の心で想像していたほうが美しい。

Rasa sayang はインドネシア人の家内に教わってフルコーラス歌えるが・・。

ここまでジャカルタでの生活のNegative な面ばかり書いてしまったが、いいこともある。

それは従業員が休みの工場で、たった一人で思い切り弾くギター。
家から、去年東京で i-beam active を装着したD-28、Fender テレキャス、ギターアンプ、エフェクターなどすべてを持ち込み、家内と息子が外でヤギと遊んでいる間、思い切りフルボリュームで弾いて、歌っても誰にも文句を言われないというのはここでしかできない。しかし、エアコンの無い工場内でこれをやると、翌日は弦が使い物にならない。

やっぱり東南アジアである。


 
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