2005年4月11日
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やさしさの唄
 
(NOBU/39歳/三重)
 

私はギターにしても歌にしても自分自身を
客観的に見て決して上手い方ではないと思っている。
なのになぜ今ギターを抱え歌うのか?
15年近くものブランクを取り戻すかのように
ギターに取り付かれてしまっているように・・・

15年という年月の中ブランクと言えども
音楽から遠く離れていたわけではない
和太鼓というジャンルにはまり突っ走ってきた。
これはこれで現在も進行形なのだが
いかんせん、気が多くて何にでも手を出してしまいたくなる
そういう性分はやはり生れ持ったものなのであろう・・・
結果、三線やカホンを介してまた、アコギの世界に
ふたたび足を踏み入れることとなった。

けれど以前若かりし頃にやっていたものよりは
幾分幅と奥行きが持てるようになったのではないかと
下手は下手なりにも進化していることも実感できる。
そして何より歌や音楽は生活の中から生れる
人の心の叫びであると考える私にとって
今の社会はどうしても声を出さずにはいられないことが
あまりにも多すぎる・・・

だからまたギターを抱え、下手な歌をうたおう。
もしかすると聞くに堪えないものかもしれないが・・・
私がこれまで生きてきたという証と培ってきたものを
沢山の出会った人たちから学んだことを
そしてこれから育ち行く子どもたちに託す思いを
ささやかながらも私自身にできることは
こんなことしかないのだから・・・

♪ すべての人たちが 心の奥底に
   置き忘れたこの唄 気づき奏でる
   その日が来るまで 歌い続ける
   ギター抱えて やさしさの唄 ♪

 
 
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