2008年1月27日
<エッセイ一覧へ>

「フォーク少年たちの伝説」
 
(文左衛門/1959年生/愛知)


オヤジも昔は少年だった!
ギターを始めて間もない頃、いろんな失敗や経験をして学んで行ったものですが、中でも弦に関する苦労話はいろいろあります。
そんな思い出を綴ってみます。


<知らないということはつらい・・・>

ある日友人が僕に訊いてきた。
「なあ、ギターの弦って通しにくいよなー」
「ああ、確かに通しにくいけど、それほどでもないぜ」
「だってさー、ギターの真ん中から通して後ろのあの小さな穴から出すんだぜ」
「それってお前、エンドピン抜かないでやってんの?」
「エンドピンてなに?」
というわけで、その友人はエンドピンが抜ける事を知らずに、サウンドホールから手を突っ込んであの小さな穴を狙って張り替えていたというわけだ。


<涙ぐましい!弦の復活法・・・>

その1 弦を煮る

いわゆる死んでしまった弦を復活させる有名な方法として「弦を煮る」という方
法があった。
鍋で沸騰させた湯の中でしばらくそのまま煮る。
確かによみがえったような気がしたものだ。
ただしこれは一時的なもので、切れやすくなるし、うまく行って切れなかったと
しても、しばらく弾くと元よりひどい音になったりしたものだ。
アルフィーの坂崎さんがどこかでこんな事を書いていたように記憶しているが、全国的に知られた方法だったらしい。

その2 切れた弦を使う

●ペグの近くで切れた場合
2弦、3弦が切れた時は、1弦ペグに巻く。
僕のギターはなぜか3弦が良く切れたのでこの方法は重宝した。
これにはコツがあって、新しく張り替える時に1弦をあらかじめ多く巻きつけておくのだ。
そして3弦が切れたときには1弦を3弦ペグに巻き替え、短くなった3弦は1弦ペグに巻いてやれば良い。
ところが、しばらく弾かないでいると1弦と3弦が入れ替わっている事を忘れてしまうので注意を要する。
チューニングの時に弦を弾きながらペグを回して行くのだが、「あれ?全然音が上がっていかないぞ」などと思っていると突然バチーンと切れる。
3弦のつもりが実はそこには1弦が巻いてあるわけで、巻き過ぎで切れるのだ。
当たり前である。

●真ん中で切れた場合
釣りで使う「電車結び」の方法でつなげる事はできるが、演奏が出来るかといえば限りなく???である。
正しい音階まで音を上げてやろうとすると切れるか、結びがほどけてしまう。
チューニングを下げて、かろうじて低音で弾く事ができるが、あくまで応急処置だった。

ギターを弾きたくて弾きたくて仕方がなかった時代の懐かしい思い出です。
まだまだエピソードはありますが、いずれまた。




エッセイ一覧へ→
トップページに戻る→