2008年4月21日
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「カワセマスター1978物語」
 
(藤田/1958年生/千葉)


 二十歳の頃、友達と三人で古井戸やらアリスやらオリジナルやら宅録して遊んでいました。その二人が御茶ノ水のカワセでマーチンD−35、ギブソンダブをそれぞれ購入し、浪人中だった私はメイプルのマスター(当時65、000円)をオーダーするのが精一杯でした。そして待ちに待ったマスターカスタム到着!友達のダブと引き比べてみると・・・?

 大学に入ってからは軽音楽サークルに入りちょっとこじゃれたティンパンアレー系などをやっておりました。いつしか友人達とも疎遠になりマスターを触る頻度も減っていきました。その後二十余年、弦を張ったまま放置されたり、倒されたり、さんざんな扱いを受けたマスターくん。表・裏板割れ、ネック反り等が起こりさらに愛着は薄れてゆきました。しかしギターへの興味はにうっすらながらも常に持ち続けていました。

 そして49歳にしてついにマーチンでデビュー! しかしこのD−28君、勝手にカードで買ってきたことや、「寄るな、触るな、指紋が付く」の異常なまでの溺愛ぶりに妻がブチキレわずか二ヶ月でこの手を去って行きました。

 ギター熱が再発した今の私にはマスターしかない。早速リペアーに出し、待ちに待ったマスターカスタム二度目の到着。もう最高です。マーチンもギブソンも要らない。一生大事にしよう。満足しながら毎日弾き、毎日磨いている今日この頃です。

最近機嫌が直った妻「あの売っちゃったギターの方がずっと音良かったね。」
           私「・・・・・」

50歳のバースデープレゼントにHD-28Vを買ってもらいました。
奥さんありがと。





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