2008年7月3日
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「私の音楽人生60年とギター」
 
(today/1947年生/東京)


まず、10歳の時、小学校の音楽授業の一環でラジオニッポン放送「子供音楽コンクール」に出場し、「ペルシャの市場にて」をグループで演奏したのが始まりでした。

13歳の頃、エルビス・プレスリーのファンになりました。映画「ブルーハワイ」を4−5回つづけて見たのを皮きりに、プレスリーの曲を200曲くらい聞きまくりました。そのころから近所の人からもらった名もないギターをいじり始めました。

16歳の時、ハワイアン・バンドを組み、高校の文化祭でデビュー。かなり女の子にはもてました。テープがやたら飛んできたり・・・・・・・・!

17歳になると、今度はカントリー・ウエスタン、アメリカン・フォークソングと少しずつ変貌していきました。そのころ、巷では学生が主催するフォーク・ジャンボリーが毎月、都内某所(日仏会館、ヤマハ・ホール、厚生年金少ホールetc.)で開催されてました。私がよく行ったのは、金子さんが主催していたStudent Festivalでした。Broadside Four、Castle&Gates、Froggis、森山良子さんなどが人気でした。

大学入学(19歳)して、すぐに念願の軽音楽部に入部。フォークソンググループに所属しました。その時初めて本格的ギターを購入しました。神田のカワセ楽器へ通い、学生としては当時大枚1万5千円を出して、Master Custom(66年製、メープル板、D−18タイプ)をゲット。今でも大切に使い、かなり良い鳴りしてます。

そのころは、Brothers Four、Kingston Trio、PPM etc.のコピーを一生懸命やってました。Modern Folk Quartetを聞いたときは大衝撃でした。Folkにもこんなすごい音を出すグループがあるのだなと。「Jordan River」は最高でした。

また、もちろんビートルズも大いに影響を受けました。ちなみに私のベスト・ビートルズは Till there was youです。

大学2年(20歳)の頃、4人グループのフォーク・バンドを組み、当時はやっていた深夜放送番組「相良直美のバイタリス・フォーク・ビレッジ」に初めて出演。そのときの曲は「カリフォルニア・ドリーミング」とKingston Trioの「アン」でした。同時に、クラブ全体でNew Christy Minstersの「TODAY」を毎週のように練習してました。今では、最高の思い出の曲で、ついに、後の自分の結婚披露宴でも演奏してしまいました。もちろん、さびのソロは自分の独壇場で、この日はまさに、人生最高の「TOAY」でした。

大学3年(21歳)の夏、初めて海外(ヨーロッパ)へ行きました。ロンドン大学の学生寮のホールで、このTODAYを借り物のギターとともに演奏し、各国の学生から拍手喝采を浴びたのは、至福の喜びでした。

就職をした後もフォークは忘れられず、25歳の頃、それまで貯めてきた給料、ボーナスをはたいて、ついに念願のマーチンD-35をカワセ楽器で購入しました。72年製です。今一番の宝物です。

その後は仕事の忙しさもあり、あまりフォーク一辺倒とは行かず、時々日本のきれいなフォーク・ソングで軽く、鳴らす程度でした。

今から3年前、57歳のとき、久しぶりにカワセ楽器に行き、新しい「MASTER CUSTOM」(05年製、マホガニー板、D-41タイプ)に魅せられ、購入しました。古いMASTER、MARTINと弾き比べをすると、とても面白い。職人による手づくりギターの個性というもの、年代を重ねることによる音の「枯れ」、木の特質による「味」の違い…等々。生ギターの魅力をいまさらながら感じる、今日この頃です。

年代別のMASTER所有者が集まって、弾き較べをするのはいかがでしょうか? 賛同者はいませんか?

私の独断と偏見による、FOLK SONGの定義。
(1)愛がテーマの美しい曲。(政治的、宗教的色彩は極力避けたい)
(2)必ず、ハーモニーが存在すること
(3)楽器は徹底してアコーステイックにこだわる。(エレキ、ドラム、シンセサイザー等々はダメ)
以上。 賛同、反論ある方はご意見歓迎です。

最後に、去年60歳を迎え、人生の節目のときに、この「応援団」に入会させていただきました。これからは、別の意味での違った音楽人生の始まりと思って、楽しみにしています。





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