2009年12月17日
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「きっかけは…」
 
(遠藤/1974年生/千葉)


 人はどうして生きているのだろうか、人は何の為に生きているのだろうか、などと生意気なことを中学生のころによく考えていました。声を荒げたり表立って反抗したりすることはありませんでしたが何をやっていても、どうしてこんなことするのだろうかと大人達の言うことにいつも疑問を感じていました。

 しかしそんな想いとは逆に、大人というものはなんでも自分で解決出来て不安や悩みなど無い完璧な人間にも見えました。
実際はそんな人間なんていませんけど…

 そんな頃に隣の中学校の友人が長渕剛のアルバム「STAY DREAM」のカセットテープを貸してくれたのです。その楽曲の多くがフォークギターとハモニカの弾き語りでした。歌い手の息づかいや指先と弦のこすれる音が聞こえ、心の中の大きな叫びが表れていました。こんな音楽は今まで聴いたことが無いぞ、こんな音楽が世の中にあるんだ!と。そのスタイルに大きな衝撃を受けました。自分の想いを自分の言葉を使って自分で歌い、表現することが出来るということを知りました。

 当時長渕剛は30歳前後だったはずです。大人になっても子供の自分と同じように悩み・苦しみ・不安・弱さを持っている人がいることに初めて気が付きました。それでも勇気を持って夢や希望へ向かって生きていくことを教わりました。たかだか歌なのですが、不安定な私の心の大きな支えになってくれました。

 高校生になって母親が昔使っていたクラッシックギターをポロポロと弾くようになりました。ペグが壊れていたため父親が糸巻き部分に厚紙を挟んだりしてチューニングしてくれました。しかしチューナーや音叉もないし音楽知識もない家庭なので、どうしてもカセットテープと音が合わなかったことが懐かしい思い出です。

 フォークブーム世代ではありませんし、ギターも上手ではありません。ましてや人前で演奏したこともありませんが、戦うオヤジの応援団の存在を知り設立趣旨に賛同しメンバー登録させていただきました。長渕剛からギターに入りましたがフォークソング全般が好きで、いろいろな音楽に触れてみたいです。これからの皆さんとの出会いを楽しみにしています。





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