2010年6月7日
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「音楽は贈り物」
 
(がばちょ山岸/1957年生/長野)


 初めてギターを手にしたのは中学2年生になる春休み。最初のギターは「カスガ」のフオークギター。もう弾けないけれど、今でも2階にあります。

 高校生になって、ベースを弾かされたり、エレキギターに現を抜かした時期もありますが、やっぱりギターはマーチンだと悟ったのが、大学2年生の夏休みでした。夜勤のアルバイトを1カ月して、給料をもらった朝に大阪の心斎橋の国際楽器に行って、手に入れたのが1974年製、D−18、たまにしか弾かないけれど、今でも2階にあります。

 あれから早30数年、途中でしばし封印をした時期もありましたが、僕の趣味はギター以外にはありえないと宣言してからというもの、0−16、OM−28V、00ー18V、M−42(デビッドブロムバーグ)、00−17が我が家にやって来てしまい、今では朝夕さわらなくてはいられないのがマーチンのギターになってしまいました。マーチンのギターには魔力があります。とてつもない力でこっちを見つめるのです。「ねえ、連れてって。」とばかりに。この魔力にとり憑かれた人の何と多いことでしょう。

 でも、本当は、僕は歌を歌いたいのです。それは排泄行為みたいなもので、自分の中から自然に出てゆくものが、聴く人の心の中に響いたらな、と思うのです。そうして、オリジナル曲なんてものを歌い始めてから、10年ぐらいになりました。CD作品集なんてものも3枚作りました。最新作は「LIVE in CHICAGO」です。

 このごろは、いかにして「作りものでない歌」を歌うか、ということにこだわっています。そのために、歌詞もメロディーもどこにも書かずに、自分の中に残ってゆく言葉だけを歌にしようと心がけています。そうやって生まれた歌で、この3年ぐらい歌い続けている歌が、「音楽は贈り物」という歌です。ついこのごろ生まれた曲は、「夕暮れの用意」。歌えるチャンスがあれば、時間の許す限りどこへでも出かけて行って歌ってます。いつかどこかで聴いてやってください。





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