2012年11月18日
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「逍遥漫歩六弦琴姫艶奏記」
(らんぶりん・あるむつゆみことひめえんそうき)
 
(ランブリン・アル/1957年生/愛知)


今は昔、武蔵野国に独りの好色男、その名を逍遥漫歩(らんぶりん・ある)と云ふ。此の物語、彼と数多な六弦琴姫(むつゆみことひめ)との艶奏(えんそう)一代記なり。さて始まり、始まり…。
今を去ること37年前、青春真っ只中初めてのお相手は、素晴らしいプロポーションの金髪娘「ストラト・フェンダー」姫、と思いきや実は「ぐれ子」という名の日本琴姫。逍遥漫歩は稚拙なテクニックで攻めまくり、やっとモノにしたのは「春夏秋冬」(泉谷しげる・KEYはGで)。Gコードの押弦、中指・薬指はどうにか5弦6弦に納まるのものの、小指が1弦に「いけず」な初体験なり。
そのあと小ぶりな日本美人「やまき」姫(確かYF15)に一目ぼれ、朝から晩まで抱き続け。たくろうアルバム「元気です」の「まにあうかもしれない」で、禁断の3フィンガー・テクニックを覚え、満足なり。
それからほれ込んだのは、肌がこげ茶色に陽焼けした舶来琴姫「ギブソン」嬢(J45)に似た大柄な娘「バーニー」嬢。彼女、実はまったくの純日本、本名「林」姫。ぽっちゃり体型だが、逍遥漫歩好みに調教し、幾日幾晩も共に蜜月を過ごす。陽水アルバム「もどり道」の「夏まつり」でEm9に驚愕、アルバム「センチメンタル」の「かんかん照り」のイントロにイカれ、「バーニー」嬢と何度も嬌声を出すなり。
次はついに念願の金髪琴姫、小麦に焼けた肌の「ギルド」姫(アーチドトップX175ブラウン・サンバースト)に巡り会う。憂歌団アルバム「セカンドハンド」の「まっすぐ歩けない」、アルバム「憂歌団」の「嫌んなった」で、勘太郎のブルース・ギターの洗礼を受け、必死に捜し求めて、ついに日本「ぴい子」姫 (チャキ製ピック・ギターP150タバコ・サンバースト)にも出会い、3連中抜きに身を焦がし、この時、人前にて初めて舞台に上がるなり。
立て続けに、まずは日本「矢入」琴姫姉妹(12・6弦ダブルネックタイプと6弦タイプ)、プラチナブロンド「ドブロ」姫(メタルボディ)、小ぶりな美人「鈴木」姫(12弦)、日本生まれの茶髪「エピフォン」嬢、スレンダーボディの電気娘「あいばにいず」姫、テキサス生まれの「リパブリック」嬢(トライコーン・レプリカ)と、逢瀬を楽しむ。この時ばかりは、ブルース・オンリーで、エルモアをスライドし、Tボーンでジャンプして、ロックウッドにシャッフルで乱交するなり。
時は過ぎ、いまだ、この六弦琴姫らとブルース、ロック、ジャズ、ラテン、カントリー、リンガラ、レゲエ、カリプソ、リズム&ブルース、サザン・ソウル、ゴスペル、浪花節、歌謡曲などなど、ただただその欲望のおもむくまま、老いてもなお彼女らと日毎夜毎抱き合い続ける。また来る者あれば去る者もあり。逍遥漫歩の艶奏は尚またこれからも鳴り響き続くものなり。




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