祭りの笛
000-おやじ
 

十年前........九月.............お祭りに出る事になりました。
....え? 俺、笛なんて持ってないし.....。(・・)
「『一音』ってえ人なら、作ってくれるよ。きっと。」
「そーですかあ。行ってきます、さっそく。(^^)」

まちはずれの、一軒家に住んではりました。『一音』さん。

「ごめん下さりまし。(・・)」
「............どおーれ。(^^)」

出てきたのは、インドの民族衣装に身を包んだ、おっさん。
.....この時、回れ右して、帰るべきだった....んだ。(..)

通された二階の部屋に入って、腰を抜かしました。(><)
部屋中、民族楽器。.......若狭歴史民族資料館より多いし......

そして部屋にただよう、お香の匂い.........(><)
窓には、よしずがかけられ、昼なお暗い......(><)
うすぼんやり光る、裸電球.....................(><)

あ、怪しいっ!!......か、帰ろう.....(><)
と、思ったその時っ!! (><)

「うわははははは。民族楽器に興味がおありか?(^^)」
「ええ、まあ。......(あるか、そんなもんっ!(><))」

おっさんは、竹トンボの片側のとれたよーな奴を持つと、
「マトラーカとゆってね。黒人奴隷が鎖をひきずる音がするのだよ。」
「そしてこれは、セミージャとゆう。ナタマメをさやごと乾燥させて作るんだ。面白
いだろ?むふふふ。」
「このブドウの固まりのよーなのは、チャフチャスとゆって、山羊のひづめを束ねて
あるんだ。わはは。乾いた音がするだろ?」
「これは、シタール。おっと、俺は弾けないんだった(・・)」
「ボンボ。山羊の革を毛がついたまま、なめさずにつかう。山羊も災難でね。」
言うなり、ドカドカ叩き初めます。 (><)

「ドカ、ドカ、ドカ、どどか、どかどかっ、ぼんっ!!(><)」

をいをい.......頼むよ.......(T T)

「これは、......何だったかなあ?......忘れた。(・・)」
風呂屋の煙突ぐらいある、木製の筒を抱えだします。

「そーだ、神を呼ぶ時に吹くやつだ。....神が来たら....ま、いいか。」
顔を真っ赤にしながら、まるで金太郎の呼吸困難.............

「ブオウッ、ぶお、ぼうっ、ぶおおおおうっ!!(><)」

...................俺を家に帰してくれっ!!(><)
叫び出しそうになった時、おっさんは急に真顔になり、

「えーと。今日はどのよーな、ご用でしたっけ?(・・)」

私しゃ、篠笛を作って頂きたいと、手短かに話すと、サンプルに持ってきた笛をおっ
さんに渡し、逃げるようにその家を出ました。(><)

あー驚いた。世の中、ヘンな人がいるわ。(・・)
結局、私しゃ笛を京都の和楽器屋で、作ってもらう事になります。


2003/01/04
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