魔法の靴
Neko
   娘の学生靴を磨きながら思う。
毎朝 君を磨くのもあと何ヶ月かな?
さみしい気持ち。

「中学から東京に通学させるのは 心配じゃない?」
友達によく聞かれた。
そのたびに胸をはって答えていた。
「全然! だって毎朝 魔法をかけてるから。」

靴を磨きながら
「昨日はありがとうね。今日もよろしく。何があっても あの子を家に連れて
帰って来て下さい。お願いします!」
魔法の息を吹きかける。
ついでにダンナの靴にも。。。

心配しないわけ無いじゃん!
でも 「心配」って口にしちゃいけないと思っている。
「想い」が強いほど 口にすることで「想い」が薄れる気がするから。

だから毎朝ソッと魔法をかけている。

誰も知らないけど ウチの家族はみんな「魔法の靴」をはいている。

2003/12/10
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