2004年10月5日
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「とにかく幸せな証拠」
 
(ITCM/51歳/埼玉)


超オヤジ風出出しになりますが、ギターを弾けるということ自体、とても幸せなんだなあ、とつくづく思います。悩みや心配事があったり、家族の誰かが病気だったり、とにかく気がかりなことがあれば弾いていても楽しくないし、そもそも弾く気にならないしょうから。

衰えた暗記力での暗譜との戦い。新曲挑戦で慣れない運指との戦い。乗れないリズム感との戦い。そんな”オヤジの戦い”を繰り広げられる日常にとても感謝です。

そもそも音楽との付き合いはTV番組ビートポップス(60年代後半の「牛も知ってるカウシルズ」なんて巨泉のナレーションがあった古い番組)のあたりでしょうか。ビートルズの新曲をリアルタイムに聴けたとても貴重な時代でした。マーチンを知るきっかけとなったのはそれから少し経った頃現れたCSNY。特にスティルスの奏でる”BlackQueen”は感動というより衝撃的だったことをとても印象強く覚えています。今でも簡単には崩れない自分にとってのマーチン神話はその時代に作られたような気がします。

ギターとの付き合いは、30年近く前に米国土産でD-18を買って帰ったのが初め。その後、せっせと貯金してD-45も手に入れましたがあまり熱が入らずほとんどタンスの肥やしになっていました。自分の中で神話は単に所有することだったのかもしれません。

まじめに(?)に弾き始めたのが実は昨年のこと。珍しく楽器店をブラブラし、1台の000に出会い、そして良くある衝動買いをしてしまったことがきっかけで、その響き入る音に魅了され再びマーティンの虜になってしまいました。

昨年暮れのクラプトンコンサートでエンディングに流れたOver The Rainbowがとても気に入り、楽譜を探してソロに挑戦したことからフィンガーピッキングの手習いへ。

今年年初に立てた趣味部門での年間目標が”20曲をマスター”すること。幸い教則本がたくさん出ているので教材には困らず、気に入ったのがあれば片っ端から手をつけている状況です。家族からはとても無茶な目標だと言われましたが、今やなんと30曲目に挑戦中。年初に立てた目標はクリアし、父親を見る子供の目が変わったような・・・(錯覚かも)。

「次はどの曲に挑戦しようか」、手を付け始めると「これはちょっと自分には難しすぎるか」などを繰り返すことによって、自分流のマスターの仕方が少し判るようになってきました。

タンスの肥やしだったDシリーズは勿論リペアして現役復帰。曲に合わせて弾き分けてます。まだ初心者の域を出ませんが1曲1曲マスターしていく喜びはなかなか他では味わうことができません。もちろん、暗譜、運指、リズム感との壮絶な戦いは今でも続いてますが。

こんな幸せな戦いができるのもマーチンのおかげと感謝してます。


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