2004年10月31日
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「唄うたい」
 
(愛媛のさだまさし/43歳/愛媛)


ギターをはじめる動機として、唄うための道具とするか、ギターを弾くことや音色を楽しむ方など色々あると思います。もちろん好きなアーティストになりきりたい、目立ちたい、女にもてたい、不純な動機は私にも少なからずありました。

小学校のとき少年合唱団に所属していた私は、中学校に入りフォークソングにはまりました。高音がでたため、陽水やかぐや姫、さだまさし、オフコースを文化祭などでやると大うけでした。もちろん、ギターは道具だったわけです。親の理解はなく、ギターは友人に借りたヤマハや東海のものを、機種など解からずに弾いてました。

大学に入り、入学祝い代わりに兄から譲り受けたKヤイリを軽音楽部で弾いてましたがバンド仲間にマーチンD18を10万で買わんかと言われ、音も聞かずにとびつきました。
思えばあまり音に執着しない私は、すこし弦高の高いギターを調整もせずに使ってました。音よりカッコばかり気にしてましたので、ヤマハのセミアコを買ってアンプを使う事を覚えた私は、卒業時借金返済のためD18を買値で売ってしまいました。今考えると惜しい事をしたものです。20年たった今、いい音鳴らしているかもしれません。

10年ほど前から、ギターの腕を落とさないように、老後はクラシックギターかなと思いプロのギターリストに習い始めたのですが、その頃からギターの音色を意識し始めました。プロから教わるのは、速弾きでなく、いかにしてよい音色を出すかだったのです。

去年、わたぼうしコンサート(障害者の詩に曲をつけて演奏)で大賞をもらい、日本代表曲ということでオーストラリアにも行かせてもらい歌ってきました。その自分へのご褒美に、ついにビンテージのマーチンを手に入れたのです。OM42AR。ある高知の楽器店でD18から45GEまで20本くらいのマーチンを並べて2時間弾きまくりました。やはりピンきりですね。値段に比例してとはいいませんが。

その頃出会ったライブ喫茶のマスターたちと、リセッツという(青春をやり直す意味です)おやじデュオを組んで、なつかしのフォークソングや新たなオリジナルに取り組んで、若い連中とライブをやってます。

今の悩みは、だんだん音の深みにはまり、ギターの本数が増えることです。爪弾いたり、かき鳴らしたり、マーチン、ギブソン、ヤマハのLLもいいな。
でも、絶対ギターマニアにはならないぞ。私は唄うたいなのですから。


愛媛はじめ中四国の方、集まってオヤジの会をしたいですね。
興味のある方は、スタジオOWL(松山)のホームページ(http://studio-owl.hp.infoseek.co.jp/)をのぞいてください。


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