2004年11月3日
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「今は、私のギター・・・よりも、被災者の方々を応援します」
 
(Pochi/43歳/宮城)


■ギター歴は、ちょっと長い・・・

小学校3年の夏に実家に帰省したときですが、いとこ(かなり年上)の家にも泊まりに行ったときに、そこにあったガットギターを見つけて、他のおもちゃには目もくれずにず〜っといじっていました。いとこがいろんなコードを押さえてくれたのを、私が指で引っ掻いていたのでした。そして、私が自宅に帰る日には、そのままギターを貰って来ちゃったのが始まりでした。
なので、「ギター歴は?」と聞かれると、「30年以上です」と答えてます。

■独りでギターは、暗い曲?

すぐに、兄がギターの入門用教則本を買ってきてくれたので、私はそれを見ながら練習してました。スクールとかには行けませんでしたし、ひたすら教則本や楽譜を見てきましたので、学生時代までは、一般的なフォークソングしか知りませんでした。周りに気を使いながら小さい音量で弾くしかない環境でしたので、アルペジオ表記の多いドレミの楽譜が一番多かったです。

もし、エレキギターなんかを弾き始めた日には、「うちの子も不良になってしまった」と親に嘆かれる時代でした。(きっと「うんうん。」と言ってくれる人もたくさんいらっしゃると思いますが)そのため、曲を聴き取りながらコピーすることもしませんでしたので、大抵の曲は楽譜を見ればなんとか(下手でも)弾けるようにはなったのですが、楽譜が無ければ何にも弾けなくなっていました。
「独りで弾き語り」ですと、どうしても暗めの曲ばかりになってしまいますよね。

皆でやると楽しい!

学生時代に転々とアルバイトしていて、最後の店がうたごえ喫茶でした。
ここで、一人で弾き語り中心のレパートリーに、「皆で一緒に歌える曲」が増えました。その後、自作曲を中心にフィールドフォークをやっているバンドに入ったことで、曲を作ったり、コンサートを開いたりしてました。

強制休眠。 ZZZ・・・

(ここからは、みなさんから良く聞く話ですが)
子供が生まれて、夜遊びできなくなってからは、そのバンドの練習にもほとんど参加できず、ギターを弾くことも、たまにしか無くなってしまいました。
「子供が手を切ったりしたら危ない」との理由で、フォークギターは押し入れの中にしまいっぱなしになり、(店を閉めたうたごえ喫茶から譲り受けた)クラシックギターだけがリビングの隅に置かせてもらってました。

カミさんに内緒で、毎日ギター三昧

会社のすぐそばにある喫茶&スナックの常連さんが、フォークギターを持ち込んでいました。毎晩、コーヒーを飲んでいるうちに、仲間に入れてもらい、(カミさんには内緒で)自分のギターも持って行き、毎日のように弾き始めたのが、去年の夏頃でした。

たから物のギターが・・・

私の20年来の愛器、S.YairiのYD-306は、15年ほど前にネックが折れた時は、K-YAIRIさんにタダで直してもらえました。去年、ネックと指板がはがれて修理してもらったら、ネックとボディの境目に塗装のあとが残ったうえに、4万5千円かかっちゃいました。以前のS-Yairiがそのまま残っていたら、「永久保証」のネックの修理はタダだったのに。
今年になってから妙にビビルようになったので、小さい鏡を使って中を除いてみたら、トップとブレーシングが剥がれていました。お金もそんなに無いし、どうしよう・・・

あこがれはマーチンだけど・・・

以前から、マーチンはあこがれでした(今もです)が、Dシリーズは低音が出すぎて、(屋外でガンガン弾くにはいいのですが)室内でアルペジオは、ちと辛いです。トリプルOも楽器屋さんで何本か弾いてみましたが、私にとっては、低音が柔らかすぎて上手く弾きこなせません。

そこで登場したのが、ヤマハの新LSシリーズです。あれは、いいです! 何とかして手に入れたいですね。(マーチンフリークのみなさん、ごめんなさい)
出来ればLS36も試したかったのですが、ヤマハ仙台店に無かったのでLS16を弾いてみたら、この価格で、この音色や引きやすさは超〜お買い得!と思いました。(あくまでも、私の好みです。機会があったら一度試してみてください。)

■みんな違う楽器だぁ・・・■

ヘソクリやこずかいを貯めたとしても、我が家の大蔵省から許可は出ません。
以前、宝くじを買ったときに、「ギターはいっぱいあるでしょ。もし1千万円当たったとしても、これ以上のギターはダメ」と言われちゃいました。
家には、私のフォークと、12弦と、エレアコと、クラシックと、エレキと、それにカミさんのフォークがそれぞれ1本ずつしか無いのに・・・

■ちょっと長くなってますが、あとがき

このリレーエッセイを書き始めてから新潟中越地震がありましたが、被災者の方々のことを考えると、「こんな能天気なことを書いてていいのだろうか」と、思いました。
新潟の方に限らず、いつの時代も、どこの土地にも、災害などで困っている方々は相当いらっしゃるので、「欲しいギターが買えないぐらい、我慢セェ!」と、自分を叱りつけて、あとがきとさせて下さい。

あらためて、被災者の方々へお見舞い申し上げます。
良き明日を想像し、それへ向かって頑張ってください。
良き思い出を懐かしみ、再びそのような日が来ますよう、頑張ってください。
ご家族や友人を亡くされた方もいらっしゃるでしょうが、良き隣人の存在に気付き、心のよりどころとして頑張ってください。
私が直接お手伝いできることは、募金箱にほんのわずかのお金を入れることしかできませんが、陰ながら、みなさんを応援しております。
がんばってください。


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