2004年12月18日
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「私のギター暦と当時の音楽文化」
 
(こんちゃん/41歳/徳島)
 


私は現在41歳です。中学生の時に親にFG-121を買ってもらいかぐや姫、拓郎、さだまさしなどの定番フォークソングのコピーに明け暮れていましたが、高校生になって長渕剛の弾き語りスタイルに影響され、もっとギターのテクニックを身につけるためにどこをどう間違ったのか「東京音楽アカデミー」というクラシックの通信講座を受講しました(同時に6万の松岡ギターも購入)。

ちなみに当時漫画雑誌などには必ずこの講座の広告があり、「クラシックギターを弾けると女の子にモテモテ!」というとんでもなく笑えるコピーがデカデカと載っていました。

しかし内容は実に素晴らしいものでした。小原安正&聖子、中林淳真、伊藤日出男、イエペス、ルイゼワルカーなどの世界でも一流の講師の指導?をうけてめきめき上達し、どんなジャンルのギタースタイルにも対応できる基礎を身につけることができました。その後はクラシック一辺倒でもうフォークはどうでもよくなっていました。

その後に通い始めた新堀ギター音楽院ではアンサンブルの面白さを教わり、ギターオーケストラ、レストランでのレギュラー出演など実地で鍛えられました。学生にも関わらずラミレスの1aという中古のスペインの高級手工ギターを買わされローンに苦しめられましたが(新品のD-45を買うくらい!)、最高の楽器を持つ喜びは何物にも代え難いものでした。

またひょんなことから中川イサト、岡崎倫典などのライブを見る機会がありその迫力に圧倒され、鉄弦ギターソロの世界にものめりこむことになったのです。当時はラリビー、ローデンなどのフィンガーピッキングに適したギターは田舎の楽器屋にはなく、やはりまだマーチン、ギブソン全盛の時代だった。

75年のマーチンD-18を購入しコピーに明け暮れるもなかなかプロのような音が出ません。ギターそのものは悪くないのだがピックアップシステムに問題があったのだ。プロの使うMファクトリーなどという高価なシステムはとても手が出なかったし考えもしなかった。その後ピックアップの研究に10年も費やし、インターネットの情報からついに最近理想のシステムが完成した(なんと総額5万!)。

また先月、フィンガーピッキングに適したギターを購入すべく泣く泣くD-18を手放し、フォルヒというチェコ共和国のギターを手に入れた。もう最高です!とても10万円台のギターとは思えません。新品で30万円以内ではもはやこれ以外のギターはありえないでしょう。

平日は弾けないのがつらいですが、休みの日には妻から「やかましい!」などと言われながらも一日中弾いています。酒もパチンコもやらず趣味はギターのみですが私には十分ストレス解消できます。

ギター探しの旅もラミレスとフォルヒというコンビをもってとりあえず打ち切り、これからは当分演奏に集中し、音楽そのものを磨いていこうと思う。しかしD-18を手放すのはつらかった!味のあるいいギターだったなあ。金持ちになったらオールドのマーチンも手にいれたいなあ。何本も持っている皆さんがうらやましいですよ。本当に。


 
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