「古賀メロディー〜ベンチャーズ〜ハンク・スノー
〜英五 そして・・・山」 |
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(菜切山/58歳/兵庫) |
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私にとって、ギターとの出会いは「古賀メロディー」です。
中学生のころ、17歳も年上の兄貴に、例の「湯の街エレジー」を教えられ、ポロンポロンと弾いていた。そして、近所に引っ越してきた何歳か年上の者がガットギターが上手で「アルハンブラ宮殿の想い出」とかいう曲を魔法のように弾いていて、近所の悪ガキの間では尊敬の念も込めて“ベートーベン”というあだ名がついていた。当然、それに影響を受けて、これまた定番の「禁じられた遊び」を一生懸命練習したものだ。
ギターの方向が変わったのは、高校時代に聞いた「ベンチャーズ」と「ハンク・スノー」に出会ってからだ。ベンチャーズのエレキサウンドは、今では何でもない音だが、当時は実に衝撃的な“電気鉄弦”の音として耳に飛び込んできたものだ。そしてあの技巧に憧れて、少ない小遣いをはたいてギターアンプまでは手に入ったが、エレキギターを買う金がなかった。無ければ作れと、前述のベートーベンにギターそのものの構造・構成を教えてもらい、自作してしまった。今で言うオンリーワンのエレキを作ってしまった。しかし、エレキに何か物足りなさを感じている時、何気ない会話の中で学友もギターをやっていることを聞いた。それもカントリーだ。再びハンク・スノーを聞いてみるとアコースティックの音色がエレキ以上に新鮮に響いて聞こえた。それからはその友人とはカントリーとブルーグラスの世界に浸かっていた。その活動も卒業・結婚とともに想い出の世界になってしまった。
しかし、指がフレットの上を踊るように動かなくなってしまっても、感覚は以前のままだ。アコースティックをはじめとするギターの音色を聞くと頭の中で指が踊っている。そして、40歳過ぎて「河島英五」との出会い。ビブラートの無い荒削りな歌声に豊かなアコースティクギターで静かに語りかけられたら、なぜか涙が出てしまう。構えないから心を打つんでしょうね。
今も、「人生旅的途上」ロゴ入りのロックグラスで、焼酎「隠し蔵」を飲ってます。もちろんバックには“旅的途上”が静かに流れている。先日、奈良に行ってきました。彼の妻がやっている「Ten
Ten Cafe」です。彼の思い出が一杯詰まった隠れ家の感覚になりました。彼の愛用のギターは「Gibson」でした。
実は、今の私はギターと同じくらいに山歩きに専念しています。それも、名も無い北摂・丹波の低山にコンパスと地形図一枚で、尾根や谷を判断して目的地に行くというものです。大半は道などありません。今、この山歩きになぜか人の世の生き方を教えられています。ちなみにハンドルネームはわが町の唯一の“山”の名前を戴いています。
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