2005年1月19日
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「ギターを弾かない仕掛人!」
 
(ねずみのチュー太郎/40歳/東京)
 


こんにちわ、私がギターに興味を持ち始めたのは中学3年の頃でした。
アルバイトでもらったお金に貯金を足して高1の夏休みの初日にモーリスのギターを購入。マーチンを手にするまで20年近くこのモーリスが相棒でした。今では殆ど弾くことが無く、ケースに入れたまま部屋の隅で眠ったままですが、就職してからも、転勤で地方に行ったときも、いつもこいつが一緒でした。

「マーチンのギターはいい」と言うのは人から聞かされたり、本で読んだりして知っていましたが、就職してから後は10年以上、人前でギターを弾く機会は殆ど無く、また人の演奏を聞く機会も殆ど無く、部屋で爪弾く程度でしたので、「俺はこのモーリスで十分」と思っていました。 

ところが、25歳の頃、帰省した時にふらっとお茶の水の楽器店を覗いてみたら中から綺麗なギターの音色が聞こえてきました。入ってみるとお客がマーチンのギターを試奏していました。(確かD28かD35だったと思います。その頃はモデルの見分けが出来ませんでした)「これが、マーチンの音か〜」と思い、「俺のモーリスとは全然音が違う」とすごいショックでした。(弾いていたお客さんが上手かったというのもあります。)
それ以来、「いつかはマーチンを買うぞ!」と思うようになりましたが、その後、生活環境の変化があったりして数年間、ギターを弾かない時期が続きました。 

学生時代の友人の一人が都内の児童館でボランティアをやっていて、彼に私が仕事の都合で東京へ戻ってくると話したとき、「一緒にやらないか!」と誘われ、参加するようになりました。夏休みのキャンプにリーダーとして参加したときのこと、スタッフの方が歌の伴奏で弾くギターの音を聞いた時、「これなら自分も弾ける!」と思い、「私にも弾かせて下さい!」と申し出て弾くようになりました。

それ以来、不定期ではありますがキャンプや、パネルシアターの演目での伴奏でギターを弾くことが、その児童館でボランティア活動として私の出来ることの一つとなり、現在に至っています。また、人前で弾く唯一の機会でもあります。

それが何年か続いているうちに他のボランティアの方から「ギターが弾けていいですね」、「楽しそうですね」、「弾き方を教えて下さい」と声をかけられるようになりました。初めて言われた時は、びっくりしたのですが、嬉しくなり「ギター続けていてよかったな」と思いました。同時に「人前で演奏することの大切さを教えてもらったな」と思ってます。(私なりに・・・)
それから何人かの人がギターを始めるようになりました。

もし、その友人に誘われてなかったらおそらくこのような体験をすることもなく、人前でギターを弾くことも無かったと思います。彼には感謝しています。

でも奴は全くギターに興味が無いのです。 


 
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