2005年2月16日
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「実録:ある夫婦の会話」
 
(おっかん/49歳/大阪)
 
〔登場人物〕
ワシ: カンゾー壊して酒との「さよなら」を決断し、救いを求め昔弾いていたギターにたどり着く。
女房: フツーの主婦。ワシが酒を止めたので生活が多少楽になると喜んでいる。

〔第一幕 去年 5月〕
ワシ 「ワシ ギター買うぞ! マーチンの!」
女房 「なにそれ?」
ワシ 「昔からほしかったギターや。酒止めたしなんぞ楽しみがなかったら、やっていかれへんがな。」
女房 「なんぼすんのん。」
ワシ 「30万ぐらいちゃうか。」
女房 「30万!!」
ワシ 「せやけど、酒代一ヶ月3万として一年で36万や。一年酒止めたらお釣りがくるがな。」
女房 「ほんなら買うたらええがな。けど、あんたの小遣いでやで。」
ワシ 「そう言わんと、ちょっと貸してくれ。」
− 以下 省略 −

いろいろあって女房に前借りし、「Dギター」に直行。夢見心地で一本を選び購入。

〔第二幕 去年 10月〕
ワシ 「マーチンのギター。もう一本ほしいな。ええのん出てるんや。」
女房 「あんた、マーチンとかゆう高いの買うた思たら、ショッチュウ弾くの勿体ないとか言うて、この前別の買うたやないの。腕2本しかないのに何本もいらんやろ!」
ワシ 「ワシは千手観音や。」
女房 「アホくさ。もうお金貸さへんで。」
ワシ 「退職金の前払いが振り込まれてたやろ。」
女房 「退職金!! あんた ええ加減にしいや!」
ワシ 「あんなあ、ギターは年数経つと値が上がるのんもあるんや。ワシは30数年ギター弾いとんのや。見立ては間違いないさかい。ワシが死んだら売ったらええがな。いや、家宝になるぞ。「何とか鑑定団」に出してみい。」
女房 「けど、何で何本もいるん?」
ワシ 「音が違うんや。音が。」
− 以下 省略 −

女房の罵声を受けながらも退職金を握り締め、連絡のあった「I楽器」に直行。

〔第3幕 もうすぐ〕
ワシ 「もうじき、酒止めて一年になるなあ。」
女房 「よう止めれたね。」
ワシ 「酒止めて一年の記念に…」
− 以下 予測不能 (けど、こうやって増えていくんやろね) −

 
 
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