2005年2月23日
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「回り道」
 
(かわいし りょう/43歳/島根)
 

最初はメーカーとか訳もわからず買いに行きました。中学2年、30年くらい前のことです。代金は、お年玉とか当時は清涼飲料水のほとんどがガラス瓶でお店に持って行くと保証金として10円くれたのでそれを貯めていました。だから、日曜日なんかは自転車に乗って田んぼに捨てられている瓶を集めて回ってたな。

で、最初の手にしたのがモーリスのW35というギター。今はバラバラに壊れて、ケースに入れてあります。吉田拓郎ばかり弾いていましたが(コピーではなくあくまで弾いていただけ、笑)そのうち、オリジナル曲と称して訳のわからん歌を作っていました。だけど、人前で弾き語りした記憶はあまり良い思い出はありません。一曲歌い終わっても客は無反応。そのうち帰り出す。(笑)

初めて、マーチンギターを買ったのは大学に入ってから。今でもあるのかわかりませんが福山のおたまじゃくしという頑固オヤジのショップで買いました。当時は実に私は嫌な客だったと思います。たとえばこの曲のこういう音のするギターが欲しいと言ってテープで吉田拓郎とか豊田勇造の歌を聞かしてましたから。奏法は殆どがピックでかき鳴らす初歩的なモノ。それで、音がどうこう言ってたんですから。(笑)

で、一本目はHD28を買いました。理由はコードストローク向きだったから。
しばらくして、二本目のD18(67年)を10万円で買いました。理由は拓郎のギブソンと同じマホガニー製だったから。無謀です(笑)。材が同じなら同じ音がすると思ってたんでしょうね当時は。そして、大学卒業とともにギターは手にしなくなりました。

再びギターを手にするのはここ数年前位から。同級生あたりが子育ても終わり、そこそこの収入も出来、買うのがいきなりのD45なんて話を聞くと最初は耳を疑っていたのですが、昔は高嶺の花だったマーチンが今は意外と安く買えるらしく、あの頃憧れてショーウインドーを覗いていた少年たちがオッさんになり手に入れられるようになったとか。弾いてる曲もかぐや姫、さだまさしなんて聞くとまさに涙ものです。

私も負けじと買いました。ギブソンハミングバードカスタム(購入話は私のHPで見てください)と、昨年D18を売り飛ばしD35を買いました。D35に関してはマーチンの中でもしかすると一番ストローク向きで、一番、私向きの音です。
だから、この音にたどり着くまでに随分と回り道したように思うのです。これが最後になって欲しいのですが(笑)


 
 
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