「あの頃、確かに・・・」 |
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(アルバトロス/42歳/神奈川) |
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あれは確か、小学校5年の頃。ラジオから「心の旅」という曲が流れていました。そのメロディーに魅せられ、音楽というものに目覚めたのでしょうか。
中学1年の夏、ギターという楽器を初めて手にしました。
チューニングの方法もまだわからず、音階をただ追うだけでその音に魅せられたのを今でも覚えています。その冬、初めて自分のギターを手にしました。Aria
W-250という2万円くらいのギター。嬉しくて毎晩、枕元に置いて寝ていました。まだFやB♭のバレーコードがなかなか押さえられずに悩み、弾くのを辞めようとも思いました。
時代はフォークからニューミュージックと呼ばれる時代へ移ろうとしていました。
初めて一曲弾けるようになったのは「22才の別れ」。
それから色々な曲をコピーし、中学校の仲間の中で自然とグループが出来ました。
そしてその頃、マーチンというギターの存在を初めて知ったのですが当然、当時は「高嶺の花」。学校帰りにお茶の水の楽器店で毎日のようにショウウィンドウを眺めていました。
中学3年、バンドを組みドラムスを叩くことになり、暫くギターから離れました。
当時全盛を迎えようとしてアリスの曲をコピーし、学園祭で演奏し歌っていました。
高校1年の秋、「秋の気配」という曲を耳にしました。それはオフコースというグループでした。そのハーモニー、イントロのギターの音色に魅せられました。週3回のバンド練習でオフコースの曲をコピーし、そのバンド練習の合間にギターを手にして歌っていました。
高校3年の秋、高校最後の学園祭、6人のメンバーはおもいっきり演奏し歌い、最終日のステージを終えたメンバーの顔には自信と言葉にできない感動があったことを今でも昨日のことのように覚えています。
高校卒業後メンバーは離ればなれになり、しばらくギターは時々ケースから出るだけとなっていました。
大学を卒業し、船に乗る仕事に就き、特殊な環境と仕事の忙しさで、なかなか楽器の演奏は出来ませんでしたが、いつも音楽が傍にありました。
時は流れ、久しぶりにギターのケースを開けてみました。弾いてみるとW-250のギターは気づかないうちに良い音になっていました。高校時代に歌った曲を一日中弾き、学生時代のあの記憶が蘇ってきました。そして、再びギターを弾きたいと思う気持ちが・・・。
37才で初めて憧れのマーチンを手に入れました。その透明感のある音色に魅せられたことは言うまでもありません。中学生の頃、ギターを初めて手にした日と同じように毎日、枕元に置いて眺めていました。
あれからもう5年。
オーストラリアからの帰りの航海の途次、360度海しか見えないインド洋の船上で思いっきり弾いて歌った快感・・・。
そして、今・・・、またギターを手に歌う喜びを知りたいと思いました。
あの頃、確かに流れていたメロディー、その音色を再び自分のものにしてみたいと思うこの頃です。
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