2008年6月12日
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「音追人」
 
(きー坊/1963年生/岐阜)


それは中学一年生の秋、文化祭で観た上級生達のステージ。
初めて目にする生の演奏は正に衝撃でした。
感動覚めやらぬ数日後には、自分のギターを手にして僕のギターライフが始まりました。
音叉しかない時代でのチューニング、そしてF・B・・・コードとの格闘。
あれほど痛かった指先が硬く強くなってきた頃には、なんとなく…それなりに…挫折なんかは振り払えて、やっとギターと一緒に一歩を踏み出せた瞬間でした。

翌年秋、デュオでの文化祭デビュー!!
あんなに内気で恥ずかしがりやだった僕なのに…
あの緊張感でのステージで、ギターを弾き唄うことがやがて快感となり、いつの日かクセになっていました。
中・高・大学と文化祭・学園祭やサークル・自費コンサート…
この時期のヒストリーは割愛します。(他人の武勇伝って疲れますよね)
* 当時のメインギターは Morris W-50

恋愛・失恋・入学・卒業・就職・転職・転勤・結婚…
様々な人生のその時に、ギターはいつも決して表舞台ではないけれど陰で僕を見守り支え助けてくれた大切な相棒です。

‘90年、転勤にて東京へ…御茶ノ水の楽器街をはじめ多くの専門店、地方では目にすることができない銘器の数々…
でも憧れの Martinには手が届かず、小さくマーチンロゴが入った Sigma ギターを購入したことが、僕のギターライフ2ndステージの始まりとなりました。
それまでギターは演奏道具であって、愛器Morris W-50は必要にして十分なギターでした。
しかし Sigma by Martin が良かったのか悪かったのか全く Martin の音ではないことが、僕のスイッチを押してしまったのです。

‘93年に広島へ移住した頃には、更に音への探究心?という名の第一次ギター収集病に感染!してしまったのです。 Sigma 〜 ASTURIAS EC-Pro… そしてある日、見た目はすごく汚いMartin D-15 の中古品を手にした瞬間、今までとは何かが違うこのバランス、倍音は決して豊かではないが暖かく優しく包み込むような音のまとまり… このMartinとの出会いが益々ギター収集病が進行するきっかけとなったのです。
その後も Martin多数 GibsonJ-50他 Taylor314他 GuildF-30R他…更にYamaha多数 Morris多数 Aria多数 Cat’sEyes多数 K.yairi多数 Headway S.yairi Takamine Ovation Stafford …等々々を手にしました。

‘03年の夏… 名古屋へ単身赴任… 身の回りの荷物と共にギターの整理はどうする!?
思案の末、その時手持ちの6本を下取りに追い金を足して厳選の1本に集約… 
憧れの縦ロゴマーチン Martin D-42 購入!!!
正面から見ればまるでプリウォーD-45みたいな風貌、豊かな低音、煌びやかな高音、そして倍音・音量・バランス… なんて素晴らしい〜鳴りとルックス。
寝ても覚めても… 眺めて良し・弾いて良し… 
憧れのギターを手に入れ、これでギター収集病が完治したかと思いきや… 更に重症となることに…

デリケートな楽器、大切にし過ぎることでついついケースに収めてしまい、手軽に弾けるギターでない存在になっていました。
それじゃ〜普段用のギターがいる… やっぱりこのクラスでは… このサイズでは… あれはどんな音だろう…? あれもこれもどれも… 
今単身赴任中のアパートの中ではたくさんのギターに囲まれ、更には車の中用、自宅用、野外用、実家用、職場用… あちらこちらにも置きギター… そんなに邪魔って?いいえいいえ幸せ〜で〜す!(馬鹿!)
Martin Gibson Taylor …をはじめ内外ローエンド物からJapan Vintage 物…
この数年で数十本ものギターが右から左へ私の手を通過して、自然増殖と強制整理を繰り返し病気は慢性化の事態です。

‘08年、とあるギターフリークの方のホームページリンクで「戦うオヤジの応援団」の近況を見て、おッ!近くにもSPがある〜! それまでの一人自己満足のギター遊びからようやく脱却、やっと重い腰を上げて扉をたたかせていただきました。

25年ぶりの人前での演奏、恥ずかしさと緊張感… でも暖かく見守り応援してくださる‘オヤジ会’の皆さまのお陰で、すごく気持ちよく‘オヤジ会’デビューすることができました。
今は Martin D-42 もコレクションではなく演奏道具として本来の役割を果たせるようになりました。
[ My Studio ]
演奏し唄うことの喜び、そして同じギター好き音楽好きの仲間の方々との出会いと交流… 皆さんからの刺激を受けながらそして自分自身の向上につながるように、これからも‘オヤジ会’参加させていただきます。

ところで… やはりギター好き仲間の‘オヤジ会’ギター収集病が蔓延?僕もこれ以上感染?悪化?しないように気をつけなきゃ〜! 今一番怖いのは Old・Vintage Martin (Gibson Yamaha …) 病 、プリウォーは夢の夢だからまだいいのですが… Birthday Year(1963)物なんて… あぁ〜恐ろしい… 気をつけよう!!

最後になりましたが、光栄にもお声をかけていただきましたメンバーズリレーエッセイ、だ〜らだらと下手くそな回顧録作文?で読み苦しく退屈な内容にてたいへん失礼いたしましたことをお詫びしまして、次の方へ繋ぎたいと思います。





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