2008年7月6日
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「心のタイムマシン」
 
(家出ネコ「ミ〜」/1960年生/東京)



 ギターに出合ったのは8才(小学校2年生)の冬でした。
母の従妹がクラッシックギターを習っており、クラッシックギター触らせてもらったのです。好奇心旺盛な私は、母にギターを習いたいと頼んだことが、ギターとの関わりの始まりでした。
 小さなクラシックギター(弦長が短いもの)を買ってもらい、レッスンに通いました。ただ、楽譜が全く読めず(今でも全く読めませんが)、上達もしないことに嫌気がさし、5年生でレッスンをやめてしまったのです。
 
 ちょうど中学に入るころ、フォークソングのブームがやってきます。同級生がこぞってギターを始める中、私はすでに基本だけは身についていましたので、音楽室のギターを使っては、同級生の前で優越感を感じつつ、流行のフォークソングや歌謡曲を弾いたりしていました。でもコピーは出来ないので、勝手にアレンジです。
 そして中学2年の時、母に頼み込んで買ってもらった「モーリスF13(飯田楽器製)」(今でも大事に持っています)なんと嬉しかったことか・・・それこそ、フォークソングを端から弾き語りしたものです。
 私にとって、ギターは絶対にアコースティックなものでないといけないと思ったのが、ちょうどこの頃でした。エレキギターは自分にとって別世界の楽器だったんだと思います。 

 その後ギターは、他の趣味の取って代わられ、部屋の片隅におきざられて、弦も錆びて、たまに弾くだけの存在になっていました。でも、大学時代、たまにオリジナルを作っては、誰に聞かせるでもなく自分で弾き語りはしていましたし、歌謡曲は歌っていました。しかしギターはといえば、保管が悪く、ネックは反ってきてしまいます。保管と言う概念が、自分にはなかったんですね。

 就職してからはほとんどギターに触らなかったのですが、93年夏にスタジオミュージシャン(ギタリスト)の方にお会いしたことがきっかけで、再びギターが身近になりました。その方から、ボトルネックを使ったスライド奏法を教わるチャンスに恵まれました。

 独特な音色や、今まで知らなかったチューニングの面白さ(オープンコード)が楽しくて、今まで聞いたこともなかったブルースを聞くようになります。そして97年には安物のリゾネーターギターを購入し、楽しむまでになりました。
 それでも、ボトルネックで弾いている曲は相変わらず、70年代フォークやニューミュージックでした。(もちろんそういう歌を弾き語りするための変則チューニングにしていますが。)

 それと平行し、色々なジャンルの曲を聞くうちに、ボサノバの心地よさが気に入り、音楽の世界が、どんどん広がっていきました。今私にとって、ブルースもボサノバも心地よく聞ける音楽であることは間違いありません。最近はボサノバの練習も始めました。

 でも私の根底にある「ギターを弾くこと」は、やはり70年代のフォーク・ニューミュージックの弾き語りなんです。
  
 私にとってギターは、いつも「音楽の中心」に存在してます。
触りもしなければ、全く弾かなかった時期が、10年以上もあったりしましたが、又ここ数年ギタ−を触ることが増えたことは、昔の自分に戻ったようで楽しい日々です。何年かすると、自分を取り巻く環境の変化で、又ギターに触らない(触れない)時期が、来るかもしれません。
 それでも長い目で見たら、ギターはいつも手元に置いておきさえすれば、昔の自分に戻れる道具なのではないでしょうか。
今、昔のようにオリジナル曲を作ったり、録音したりと、若かりし30年以上前に戻ったかのように、ギターを楽しんでいます。
 そして今、私にとってギターは、「心のタイムマシンになった」のだと思っています。若かったあの頃へ戻るための・・・





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