2008年10月5日
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「ギターと出合ってからもう29年目」
 
(もろきゅう/1966年生/大阪)


私がギターを始めたのはアリスが人気絶頂の頃で、大ファンであった私は中学入学と同時にギター部に入部したのでした。もちろん最初はマイギターなど持っているはずも無く、学校の備品のYAMAHAのガットギターでした。

初めに弾いた曲は「四季の歌」で、これを1年生部員が皆でガチガチのストロークで弾いていましたっけ。次はイルカの「雨の物語」。少しずつ1曲ずつ弾けるようになっていく喜びを味わいながら段々とギターという楽器に心惹かれていきました。

そうするとやはり自分のギターが欲しいもので、親にねだってYAMAHAのFG-151Bを阪急高槻市駅前にあった楽器店で買ってもらいました。(このギターは数年後高校の後輩に譲りましたが、彼はそれからすぐバイク事故でこの世を去ってしまいました)

マイギターも手に入れすっかりギタリストになったつもりでいた私でしたが、ある日私の天狗になったお鼻をポッキリと折る事件が発生するのです。

ある日のクラス会で皆がなにか持ち芸を皆の前で披露する事になり、私とM君がギターで一曲ずつ披露したのですが、M君は小学校の頃からギターを弾いていてアルペジオも華麗に決める中々の腕前。対する私はコードストロークが精一杯でしかも歌が上手くない。

M君はかぐや姫の曲を弾き、クラスの皆を魅了しました。・・
もう勝敗は誰が見ても明らかで、「お前ギター下手やなーー!」「Mのほうが上手い!全然違うわー」流石にへこみましたわ。もうお鼻ポッキリ(笑)オマケに私の本名が某シンガーソングライターN渕氏と1字違いなので「1字違いで大違いやなー」(笑)と馬鹿にされ悔しい思いをしたものです。

でもこの悔しい経験は決して無駄だったわけではなく、もっと上手くなりたい、もっと弾けるようになりたいというギターを続ける原動力になりました。(全く上手くはなりませんでしたが以後、ギターの上達には人前で演奏し上手くなくても図々しく演奏し目一杯恥をかく事が必要という自論が出来上がったのでした。)

中学から高校とアコースティック&ニューミュージックに夢中の日々を過ごし、社会人になってエレキを持ってバンドに入ってはみたものの、エレキギターや人数の多いバンドが性に合わない事に気付き、ギターを一旦離れました。

只全く音楽やギターに情熱がなくなっていた訳ではなく、種火は残っていて胸の奥で残っていました。

数年前から一念発起!ネット上でコピー曲を公開できるサイトに登録してパソコンやMTRを駆使し宅録を始めると・・もうアレコレギターやら機材を買い求め狭い我が家は楽器だらけに(笑)

自分にとって理想的な音のギターとも出会い、楽しいギターライフを満喫中です。

・・・で終わると思ったら最近はリペアショップへの不満から自分でナットやサドルを交換する楽しさに目覚め、プレイヤーなのかリペアマンもどきなのか・・どちらも楽しくって。歳とって旅立つまでギターは止められませんわ。



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