「マーティンは母親の形見」
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(MCマミー/1956年生/千葉) |
最近友人からの電話で、どこそこの親が亡くなり通夜と告別式はいついつです、なんて連絡が多くなり、旧友と会うのもそんな時ばかり。
学生時代、フォークソングブームでギターを手にして仲間と弾いていましたが、就職、結婚、出産、そして仕事も忙しくなり、いつしかギターを弾く時間などなくなっていました。
高校時代にはモーリスのギターを購入、結婚してからは、オベーションを購入し、30代にはウクレレを何本か持ってましたが、弾く時間もなく、もっぱらブルーグラスやフォークなどはCDで聞くだけ、楽器は部屋の片隅にケースに入ったまま、中学時代から吹奏楽もやっていたので、部屋にはトランペットやトロンボーン、サックスなどもありますが、今は2人の子供が使っています。
40の手習いでまたギターを弾けたならと思い、ギターのカタログや雑誌を見ていたら、ふとした話から母親が私が亡くなっても着物は妻にあげると言うが、お前にあげる形見がないねと、何か形見になるもので欲しいものはないかねと言われました。
今まで欲しいものは、ほとんど手に入れてきたし、バイクや車は長く乗れるものではないし、でも自分と同い年の旧車は趣味で持っていますがね(笑)親友はマーティンやギブソンを持っているけど、私はそれを持つほどうまく弾けるわけでもないし、でもいつかはマーティンをという気持ちを母親に話したら、音楽はいいね、私が亡くなってもギターを弾いて思い出してくれればと、封筒に入ったお金を私に差し出した。ギターなら長く使えば使うほどにいい音色を響かせてくれる。封筒の中身を見てみると母親がギターの値段を知ってか知らずかマーティンを買えるほどの金額が入っていた。
早速黒沢楽器に行きD28を購入、そんな母親も今では入退院を繰り返しいつしか寝たきりに。いつかはこのギターが私の形見として子供に渡す日がくるのだろうか。
ギターの購入にあたってはいくつかエピソードもありました、詳しくはマーティンクラブニュースレターvol33に掲載しております。御持ちの方は見てみて下さい。また最近のギターライフについてはまた書きたいとおもいます。
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