「二兎を追う」
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(多摩川音響/1964年生/東京) |
私が、アイリッシュ・ブズーキという楽器を演奏するようになって4年が経ちます。
中学生の時から(途中ブラスバンドに浮気はしたものの)、アコースティック、エレクトリックとギターを演奏していたのですが、この楽器はまさに「四十の手習い」となりました。
6年ほど前それまで務めていた会社が経営悪化。転職は無事できたものの、急に増えた仕事量に、元来怠け者の私は体を壊してしまいました。それから2年程は、その時のバンド活動はもちろん、ほとんどギターに触れることもない状態でした。
ようやく楽器を演奏してみようと思うまでに回復し、以前のメンバーに声をかけようとしてふと考えてしまいました。今まではバンド単位でしか活動していなかったのですが、これからも音楽を続けていくには、もっとフットワークが軽い方がいい。それには、ソロでも演奏できるようになっていた方が良いのでは?そしてギターより、もっと音色に個性のある楽器のほうがおもしろそう・・・そんな訳で、あれこれ楽器を試すうちにブズーキにたどりつきました。
初めは「12弦ギターみたいなもの」とタカをくくっていましたが、実際曲を演奏してみて考えが甘かったことに気が付きました。
とにかく、ギターのテクニックが役に立たない事が多いのです。フィンガリングからピッキングまで、はじめからやり直し(笑)
さらに、テクニックの次はチューニングです。それまではギターの1弦から4弦のチューニングでしたが、テンションに問題がありました。迷ったあげく、それまでほとんど使った事のないオープンチューニングを取り入れる事にしました。しかもオリジナルチューニングです。今は、低い方からD(又はC)、G、D、G、Cというチューニングにしています。期せずして「二兎を追う」事になってしまったのですが、結果はまったく新しい音世界が待っていました。
無理はいけませんが、こと音楽に関しては例外的におもしろい事に出会える場合もあるものです。
*今使っているブズーキは、K・ヤイリさんに特注したモノ。
わかり難いかもしれませんが、普通のブズーキより弦が多い9弦仕様。
さらにフィンガーピッキングがし易いように、ワイドネックになっています。
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