2012年5月23日
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「音楽と関わって」
 
(イトヨシ/1950年生/北海道)


 ここ北海道もようやく暖房の要らない嬉しい季節になり、居間付近に置いてあったギターとあれこれを2階へ移し、時間を見つけては弾き、飽きることは無い。

 そんな楽しみも、39歳の時、ギターも音楽にも熱い思いなど無いのに、簡単にクラシックギターサークルに入会してしまったことから始まる。
 更に50代では、「ピアノよりギターのほうが難しい。」と言う人が居り、ピアノを私でも両手で弾けるようになれるなら、やってみたいと思い、中古のデジタルピアノを買い、1年半ほど教室に通った(ピアノのほうが易しいかも知れない)。「楽器ばかり習ってどうするの?」と姉に言われてしまったけれど、“弾けるようになるまで弾き続ければ、弾けるようになる”事をピアノで経験できて、今も時々弾いているが、これも楽しい。
 また週に1度のスクウェアダンスの例会では、体を動かして汗を流し、時には冷や汗も流れるが、音楽も聴ける。

 お陰で様々な音楽に触れて、音楽が好きに、楽器が好きになり、コンサートを聴きに行くのもクラシックギターだけだったのに、年々色々な演奏会へ行くようになり、回数も増えた。
 今年はすでに、アマチュアのライブも含めて20回程の演奏会に足を運び、どれも上手な選曲と奏者のトークなどで、良い一時を過せた。
 3月札幌で、「この曲が好きで、6歳の時に初めて両親の前で弾いた。」と言う奏者の「アルハンブラの想い出」を小さな会場の1番前で、トレモロを弾く、その指を見ながら聴ける幸せを得た。

 数年前にサークルをやめて、ギターも十分使ったと思っていたが、ボディはまだ光沢があり、弦を張り替えると良い音がして、しまい込んで置くにはもったいない。
 世間では高齢者と呼ばれる年齢に、私もなってしまったけれど、楽譜と関わり、少しでも楽器が弾けて、誰かと音楽の話が出来ることは嬉しい。




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