2012年12月9日
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「初めてのギター」
 
(とおる/1968年生/石川)


 中学生の頃から音楽が好きになり、地元の店でよくレコードを購入していました。そのお店は、元はボーリング場だったところを改装したお店で、レコードだけでなく、オーディオ製品、楽器、楽譜など音楽に関する製品を中心に扱っていました(もちろんCDが出てからはCDも扱い始めましたが、これも私が中学生の時でした)。

 週に一度はそのお店に寄るようになった高校生の頃、アコースティック・ギターが欲しくなり始めました。しかし、2万円くらいから始まる値段には自力では手が出ません。親に頼んでも買ってくれません。私が欲しい物に対しては親は厳しくて、(今ではそれでよかったかもしれないと思ってますが)本当に必需品でない限り買ってくれることはありませんでした。そのため、しばらくは欲しくても買えない状態が続きました。

 しかし、そういう状況を打ち破ったのが親戚からのお年玉!2万円を握りしめてお店に行き、モーリスの2万円のギターを買って帰りました。今となってはどうしてそのギターを選んだのかばかりでなく、モデル名どころかドレッドノートタイプかトリプルオータイプだったのかすら思い出せません。ギターに関する知識がなく購入したためで、何がいいかを知る前にとにかくギターを手に入れたいという気持ちが先でした。

 ただ、親には内緒です。たぶん子ども心ながら買ってくれない物は、自分で買っても許してくれないだろうと思っていたのでしょう。自分の部屋の押し入れの上にある物入れのところにソフトケースに入れて仕舞い込み、こっそりと出して弾いていました(こっそり弾いてたつもりですが、しばらくして音で気づかれてしまいました・・・)。

 まぁ1980年代後半の低価格のアコギの品質がどうだったのかよく分かりませんし、自分の保管の仕方が悪かったせいかもしれませんが、とにかく弾きづらかったです(弦高もけっこう高かったんだと思います)。それで、買って間もなくFコードで挫折してしまいました。

 そして、高校卒業、一年間の浪人生活、そして大学合格。親元を離れて東京での生活へ。Fコードで挫折しましたがギターへの密かな熱は冷めることなく、大学生になってお茶の水でこれまた2万円のエレキギターを購入。初ギターのモーリスはサドルを削って弦高を下げ、夏休みなど実家に帰った時に弾いていました。

 大学卒業後は地元で就職。やはり定価2万円のギターでは物足りなくなったので、しばらくしてヤマハのCJ−22を購入。このヤマハを手に入れたのをきっかけに、初ギターはそののち他人に譲ってしまいました。

 もうそのモーリスに関する物は何も残っていなく、今思えば初恋のギターだったわけなので、本体でなくても写真かカタログを残しておけばよかったなぁと少し悔やんでいます。




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