どっこい復活「四畳半フォーク」 |
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(たちゅ/1959年生/神奈川) |
あの頃から40年以上50年未満。
「四畳半フォーク」なる音楽ジャンル(?)があった。
今となっては死語だろう。
継ぎはぎだらけのベルボトム・ジーンズをはいて安物っぽいフォークギターを肩からぶら下げて歌う姿は、実にしみったれていた。
フォーク(ソング)は、ギターが一丁あれば演奏できる。
バンドの派手さと真逆で、つつましやかさが際立っていた。
というか一緒に演る友だちがいないような孤独感を漂わせていた。
陰鬱な表情で歌うその姿からは、明日への希望をイメージすることはできそうにない。
ローテンションでいつまでもメソメソしている。
志も低そうだ。
「あーやだやだっ貧乏は!」とユーミンが言ったかどうかに関係なく、当時の私も「ヤダな~そんな暮らしは~」と思っていた。
かぐや姫の神田川(1973年)は「♪三畳一間の小さな下宿〜」と歌っている。
四畳半よりもっと狭いではないか。
私は1979年に大学に進学した。ある同級生の下宿部屋は三畳一間だった。
「本当に三畳一間の下宿ってあるんだ」とその当時ですら驚いたくらいだから、もう貧乏くさいことこの上ない。
時は巡り、成熟期に入った現代の我が国ニッポン。
「あーやだやだっ貧乏は!」という思いが叶ったのか運が良かったのか、まぁなんとかまともに暮らしている。
もっともこれからは分からないが…。
あれほど遠くに感じたマーチンも買おうと思えば買える。
もっとも私はまだ持っていないが…。
継ぎはぎの服も今では、リサイクルしたり直して使えば「エコですね」とほめられる。
間違っても「貧乏なんですね」とは言われない。
もっとも私の普段着の75%はユ○クロだが…。
バンドサウンドの増幅や音の加工をしない生音は「アンプラグド」と言われ、なんだかアーティスティックな香りがする。
もっとも私はいまだに「ファンキーモンキーベイビー」のイントロをエレキで弾いてしまうが…。
四畳半(か、それより少し広い)マイルームは、「男の隠れ家」あるいは「プライベート・スタジオ」と羨ましがられちゃったりする。
もっとも今の私の部屋はリビングのとなりで、家族とネコの通り道になっているが…。
まぁなんにせよ、いい時代になったもんだ。
さすれば歌うか、遠慮なく。
声高らかに21世紀型四畳半フォークを。 |
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