2015年3月24日
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「シオンの衝撃」
 
(吟遊詩人/1961年生/大阪)


ボクがまだ多感だった頃、強烈な衝撃を受けたシンガーの一人に〝シオン〟がいます。

〝甲斐よしひろ〟のラジオ番組「サウンド・ストリート」で、「インディーズに凄いシンガーがいる…」と紹介されたのが〝シオン〟でした。
確か曲は『俺の声』だったと記憶しています。
ラジオから流れ出した擦れ切った声、心情を吐き出すかのような生々しい詩…。
それはまるで〝トム・ウェィツ〟か〝ボブ・ディラン〟のようでした。

気が付いたら、ボクはバナナ・ホール(元大阪の梅田にあった有名ライブ・ハウス)の客席にいました。
インディーズのライブなのに超満員。
一本のスポットライトの先には、ギターを抱えた〝シオン〟の姿。
その声、その詩に吸い込まれそうな自分を感じずにはいられませんでした。
感動と衝撃で放心状態のまま、自主制作LP「新宿の片隅で」を買って帰り、真夜中に一人で聴いて、又、感動…。

今でも宝物のように、レコードケースに眠っています。




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