2016年1月7日
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「音楽ってなんだろう」
 
(中庸/1956年生/沖縄)


「音楽は嫌いです」という人、たぶん居ませんよね。もちろんフォーク派もいればクラシック派もという具合に音楽のジャンルはとても幅広く、ジャズは好きだけどロックは苦手とか、好みはそれぞれです。

それらの音楽をひっくるめて一言でいえば、要は音の羅列なのに、なぜ私たちはこんなにも音楽に惹かれるのでしょうね。

きっと、私たちが、言葉を発見する前から「オト」を知っていたからだと思うのです。

波の音。風のささやき。時には暴れる大自然の咆哮。
ある時は恵みの雨音に癒され、鳥の鳴き声に心は安らぐ。

私たちの身体も音に満たされています。
ドクンドクンと脈打つ鼓動は、私たちが生きている証し。
そんなオトたちで音楽は構成されています。

コンサートやライブでは、うち震えるほどの感動を生み出すことがあります。演者と観客の心が一体化する至宝の瞬間であり、魔法です。

脳科学者の茂木健一郎さんは著書「すべては音楽から生まれる」のなかで、「人が音楽を聴いた時の脳の状態は、食べたり飲んだりした時のそれと非常に近いことがわかっている。音楽から得られる喜びは、生物としての本能的な喜びの回路を通しているのだ」と述べています。音楽を聴くという行為は、自然の営みであり、生命原理なのだと……。

ああ、そうなんだ。

なぜ私は、素晴らしいアーティストの歌や演奏に心奪われ、涙してしまうのかの答えが、茂木さんの本のなかにありました。

音楽とは単なるリズムや音階ではなく、生命の根幹にかかわるものなのだなぁ~。

ということで前置きが長くなりました。沖縄県那覇市で「下町ブックカフェ やさしい気持ちで沖縄」をプレオープンした新米店長です。以前は、音楽のまちコザで、音楽や観光関係の仕事のお手伝いをさせていただいておりました。ただし、歌も歌えず、楽器もできず、聴くだけ派。

音楽も楽しめるようなお店を目指してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。那覇においでの際はお立ち寄りいただけましたら嬉しいです。




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