2017年10月10日
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「・・・・・届けたい想い・・・・・」
 
(yasudamas/1960年生/東京)


今年(2017年)の3月24日、母が他界致しました。
正直、私にとって恨むべき事の多かった母であり、母にとっても私は出来の悪い息子であったと思います。
そんな母が、認知症の進んだ父と一緒に神奈川県のサービス付高齢者住宅に移り住んだのは、昨年の10月でした。
その施設で、女性ボーカルの方と一緒に(ユニット名「IMONZ」(イモンズ)と言います。まんま慰問する者達の意味で・・・)初めての慰問演奏を企画したのが1月、4月15日に演奏日を設定しました。

そして・・・演奏予定日の3週間前・・・母の急な逝去でした。
様々な軋轢はありましたが、ライブやオーディションにだけは、いつも応援に来てくれていた母で、亡くなる直前まで慰問を楽しみにしていてくれていました。
・・・・・施設とも相談し、供養を兼ねて、慰問演奏は実施する事にしました・・・・・

沢山の音楽仲間の中には「慰問やってて面白い?古い歌ばっかだし・・・」と言う人も居ます。
そんな時、良くこう言います「ライブハウスやホールでやるのは、勿論楽しいし、続けて行くつもりだよ。でもね、足を運んでくれる人は、同年輩以下、又は、我々より高齢でも健常な人だよね?」、「順当に行けば、高齢者施設に居る方達は、概ね私達より先に逝く事になると思う」、「私達が旅立つまでに、残された時間が20年あるとして、慰問先の人達に残された時間は、その半分かそれより短い・・・・・」「その1分1秒の大切な時間を費やして歌や演奏を聞いてくれるんだよ。Original曲に耳を傾けてくれるんだよ。もしかすると、大切な思い出となるかも知れない・・・そこに通常のステージでは味わえない感慨があるんだよ」と、答えます。

・・・・・決して、カッコつけるつもりはありませんが・・・・・

そんな慰問活動の中から感じた物を曲にしたのが、「心の手[HEART HAND]」です。
歌詞の1番は、高齢者施設に入居している皆さんへ向けて。
2番は、そこで働くスタッフさん・介護員さんへ向けて。
3番は、ご老人や要介護の方を取巻く周りの人々へ向けて。
言葉を織込んでみました。
願わくば、この曲が多くの施設で歌われて、聞く人が(演奏して頂ける人が)少しでも温かい気持ちになって頂ければ幸いです。
そして、広くこのメッセージを伝えるべく、可能な限り慰問活動を続けて行きたいと思ってます。
聞かせてあげられなかった、亡き母へ、届けたい想いも込めて・・・
「みんな(あなた)が居たから、僕らが居るよ・・・」

下記が、YouTubeのUP先です。
拙い曲ですが、良ければ、聞いて、歌って頂けると幸いです。
https://www.youtube.com/watch?v=BH8ciOe96Mo



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