2004年7月5日
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「ジプシー」
 
(のむちゃん/34歳/京都)
 

今度の10月で35歳になる。
こんな話を酒飲みの場ですると、
「四捨五入したら40歳やんけ!!もうオヤジやのぉ!!」とお決まりのパターン。
「じゃかぁしゃい!」と返しても、
「その言い方がもうオヤジやね!!」と返される始末。
一方で、「35歳?まだまだ若いですよ!」とフォローが入る。
そういう意味では「35歳」は中途半端でもあり、
見方を変えたら、「若者」と「オヤジ」と両方楽しめる年齢なのかもしれない。

2000年の夏からギターを持ち、歌い始めた。
たまにお誘いを受けてステージで歌わせてもらうこともしばしば。
メッセージ性の高い歌を中心に歌うため、
嵐のような拍手をいただくこともあれば、
冷ややかな目で見られることもある。
反応はさまざまである。でも歌うのだ。

昨年、こんなへたな歌を作った。

  「ジプシー」

  いまを生きている 確かに生きている
  時には縛られ 時には流されて
  いつも何かを求めて さまよっているうちに
  目の前にある夢さえ 見失う

  立ち止まるなかれ 生き急ぐなかれ
  それが運命ならば 変えてみよう
  生きる証しを 何に求めよう
  心の中さまよう 僕はジプシー

  この世界で生まれて このクニの言葉を話して
  この町で生きて この土に還ってゆくだろう
  だけど「お前の故郷はどこか?」と訊ねられたら
  胸を張って 出せる 答えがない

  戸惑うなかれ 意地張るなかれ
  それが運命ならば 受け入れてゆこう
  生きる道しるべを 誰に訊ねよう
  人生をさまよう 僕はジプシー

  月の見えない夜 気の知れた友と囲んで
  酒を浴びるほど飲んで 下手な歌を歌って
  昨日を見送り 明日を見つめて
  一歩づつ だけど自由に 歩いてゆく

  焦るなかれ 怠けるなかれ
  それが運命なんだと 胸に刻んで
  生きる証しを 必ず見つけよう
  人生を旅する 僕はジプシー

  夢を見失うなかれ 夢を捨てるなかれ
  それが運命なんだと こころに刻んで
  生きる証しを 見つけるための旅を
  これからもさまよう 僕はジプシー

  いつまでもさまよう 僕はジプシー

        Copyright 2003 by Cozy Nomura


10代や20代のときと比べて確実に「老い」に近づく中、
自分の生きた証を残すため、いやこれから生きてゆく証を求めるため、
とにかくさまよい続けようと思う。とにかく歌い続けようと思う。
己の信じるままに。
 
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