2004年11月1日
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「人生はAm、、、。」
 
(メリーさんの羊/55歳/東京)


神保町の古本屋で偶然見つけた“ガッツ”
(音楽情報誌なのに何故か“Guts”)
何か見覚えのある表紙、早速手にとってページをめくると、、、、。
そこには今よりもほっそりとした髪の毛の長い30数年前の僕が微笑んでいました。

学生仲間と女の子にもてたくて始めたフォーク・バンドいつしかレコード・デビューにも漕ぎ着けました。
同じページに上条恒彦さんのインタビュー記事が“僕はギターが下手なので今練習中、、、”と

“何だ上条ってギター弾けないんだ今度教えてやろうなんて、、。”僕らは言い合っていました。

ある日NHKの歌番組で偶然上条さんと共演することになりました。
リハの時ちょっと覗くと上条さんが弾き語りをしていました。
歌は当然、ギターの上手いこと僕らは唖然としてしまいました。
“コレがプロなんだ”と本当にプロの凄さを教えられた出来事でした。

その後僕らは雲散霧消、自分たちのほかに誰の記憶のなかにも残らずに消えてしまいました。

50を過ぎて子供たちも巣立ち、ふっと振り返った時
置き去りにしてきた愛しき何かがあるんじゃないかと思ったんです。
そして最近ギターを何となく弾き始めました。
相変わらず下手であの頃のままなんですが、、、、。

C−Am−F−G7っていう循環コード、
コレってもしかしたら人生に似ていませんか?
可も不可もなくお金も無くの平凡な人生。
中にはC−Em、C−G、C−Fって行く人もいるかと思うし、
Cのまま変らずの人もいるに違いありません。

僕はそろそろF−G7あたりまで来たのでしょうか?
最後のコードは何にしましょうか、、、。


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