2005年12月14日
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「雪の音」
 
(kanbo/45歳/秋田)



 今年は昔のよな寒さが戻ってきたようで、12月2週目で外は既に真っ白、井上陽水の氷の世界が浮かんできます。
“雪の音”それは私にとってバスが滑り止めのチェーンを巻いて走る音。妙に静かな朝にチェーンの音が近づいてくるのを布団の中で聞いていた、あの中学の頃にタイムスリップします。
中2の頃お年玉を手に近くのレコード店から7,000円で買ったのが最初のフォークギター。フレットが直線でクラッシックギターの様な形のフォークギターだったので、雑誌の広告を見ては“ドレッドノートタイプが欲しい、でもお金は無い”という状態を続けていました。
やっと買ったのが今も持っているモーリスのW30。ドレッドスタイルというだけでうれしかった事をまだ覚えてます。
当時ラジオから流れるフォーク・ニューミュージックには、アコギの音が前面に出ている曲が多くあり、そんな音に憧れていました。そして、何よりやはり良き時代だったのです。

 時は流れて20数年ぶりにギターを弾き始め、ソロ楽器としてのアコギも知り、新しい世界を見た感じがします。
ギターを弾いているとついつい時間を忘れてしまいます。仕事がうまく行かず来月はどうなるやら、やりきれない時でも不思議にギターを抱えている時は別の時間が流れているようです。
ギターの音も“雪の音”同様に良き時代を体の奥で思い出させているのか、それとも音楽の持つ癒し効果なのでしょうか。
こうなると精神安定剤にも近いものがありますが、人生80年と考えてもまだまだ時間はあります。若いの年だのと考えるだけアホらし、思い立ったらゴーだよな、と考え、今年の夏は弟を誘い地元のイベントに出てみたのですが、これは楽しかった。どちらかと言えば練習の方が楽しかった。
焦る必要はないので、これからもギターと長い付き合いをしていこうと思っています。お近くの方、機会があったらお声がけください。


 
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